工場設備や自動機の制御で使用される圧力スイッチは、圧力の変化を電気信号に変換する重要な部品です。しかし現場では「圧力スイッチがチャタリングしているのではないか」と疑われるトラブルが少なくありません。この記事では、圧力スイッチが起こすハードウェア的なチャタリングの仕組みや発生原因、ソフトウェア的なチャタリングとの違いについて解説します。
チャタリングとは何か
チャタリングとは、本来1回だけONまたはOFFするはずの接点信号が、短時間のうちに何度もON/OFFを繰り返してしまう現象です。
電気回路では接点が切り替わる瞬間に発生することが多く、PLCやリレー回路では誤動作の原因になります。
例えば本来は「ON」になるべき信号が、ON→OFF→ON→OFF→ONと数ミリ秒の間に繰り返される状態が典型的なチャタリングです。
圧力スイッチはハード的なチャタリングを起こすのか
結論から言うと、機械式接点を持つ圧力スイッチはハードウェア的なチャタリングを起こすことがあります。
圧力スイッチ内部にはダイヤフラムやばね、マイクロスイッチなどの機械部品が組み込まれている場合があり、接点が切り替わる瞬間に接触と反発を繰り返すことがあります。
その結果、電気信号としては短時間のON/OFFの繰り返しが発生します。
| 種類 | チャタリング発生の可能性 |
|---|---|
| 機械式圧力スイッチ | 比較的発生しやすい |
| マイクロスイッチ内蔵型 | 発生する場合がある |
| 電子式圧力センサ | ほぼ発生しない |
| 半導体出力型 | 極めて少ない |
圧力スイッチ特有のチャタリング原因
圧力スイッチでは単なる接点反発だけでなく、圧力そのものの変動によってチャタリングが発生することがあります。
例えば設定圧力が0.5MPaの場合、圧力が0.49MPaから0.51MPa付近を細かく行き来すると、スイッチが何度もON/OFFを繰り返します。
エア配管の脈動、ポンプの振動、圧縮機の圧力変動などが原因になることも珍しくありません。
実際の現場では接点チャタリングよりも圧力変動によるON/OFFの繰り返しの方が多いケースもあります。
ソフト的なチャタリング対策との違い
PLCやマイコンでは、入力信号を一定時間監視してから有効と判断する「チャタリング防止処理」がよく使われます。
これは実際には接点が細かく揺れていても、例えば50ms以上連続してONになった場合のみ信号として認識する方法です。
一方で、ハード的なチャタリングは圧力スイッチそのものや圧力変動が原因で発生しているため、根本原因の解決にはなりません。
現場でよく行われる対策
圧力スイッチのチャタリング対策としては次のような方法があります。
- ヒステリシス幅の大きい圧力スイッチを使用する
- 電子式圧力センサへ変更する
- エア配管の脈動を抑制する
- PLC側で入力フィルタを設定する
- リレー回路にタイマを追加する
特に近年は電子式圧力センサが普及しており、機械接点によるチャタリング問題は大幅に減少しています。
圧力スイッチ故障との見分け方
チャタリングと故障は混同されやすいですが、原因は異なります。
設定圧力付近でのみ発生するなら正常動作によるチャタリングの可能性があります。
一方で、圧力が安定しているにもかかわらず接点が不安定な場合は、接点摩耗や内部機構の劣化が疑われます。
オシロスコープやPLCのトレンド機能を利用すると原因を切り分けやすくなります。
まとめ
圧力スイッチは機械式接点を採用している場合、ハードウェア的なチャタリングを起こすことがあります。また実際の設備では、圧力変動によって設定値付近でON/OFFを繰り返す現象もよく見られます。
そのため、圧力スイッチのチャタリングは単なる電気的な接点反発だけでなく、機械的要因や流体の圧力変動も含めて考える必要があります。
現場で頻繁に発生する場合は、電子式圧力センサの採用やPLC側の入力フィルタ設定などを検討すると効果的です。


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