アニメ『美味しんぼ』の「菓子対決」で登場する“アマクサ”の描写について、「本物の甘草(カンゾウ)と違うのでは?」と疑問を持つ視聴者は少なくありません。特に、ノビルや玉ねぎのような白い球根状の植物として描かれていた点から、「リコリスの誤解では?」という考察も見られます。この記事では、甘草とリコリスの違い、そしてアニメ内の植物描写について整理して解説します。
甘草(カンゾウ)とはどんな植物?
甘草はマメ科カンゾウ属の植物で、漢方薬や甘味料として古くから利用されてきました。甘味成分「グリチルリチン」を含む根が特徴で、砂糖より強い甘味があります。
一般的な甘草の根は細長く木質で、玉ねぎやノビルのような球根状ではありません。そのため、『美味しんぼ』の描写とはかなり印象が異なります。
リコリスとの混同はあり得る?
英語で甘草は「Licorice(リコリス)」と呼ばれます。しかし、日本では一部で「リコリス」という名前がヒガンバナ科の園芸植物に使われることがあります。
ヒガンバナ属(Lycoris)は球根植物で、見た目はネギ類やノビルにも少し似ています。そのため、「リコリス」という言葉だけを見て、制作側が混同した可能性を指摘する声があります。
ただし、ヒガンバナ属には有毒成分が含まれるため、甘味料として利用される植物ではありません。
アニメの植物描写は創作の可能性も高い
アニメ作品では、作画の簡略化や演出の都合で実物と異なる植物が描かれることがあります。特に1990年代アニメでは、資料不足や作画コストの都合で実際の形状と異なるケースも珍しくありません。
『美味しんぼ』は食文化への考証が比較的細かい作品ですが、植物の細部まで完全に再現しているわけではなく、視覚的にわかりやすい「根菜風」のデザインにした可能性も考えられます。
ノビルのように見える植物は存在する?
野草にはノビルやギョウジャニンニクなど、球根や鱗茎を持つ食用植物が存在します。しかし、甘草のような強い甘味を根から得られる植物で、アニメのような白い球根状のものは一般的ではありません。
そのため、実在植物を忠実に描写したというより、「甘い根」というイメージを視覚的にわかりやすく表現した可能性が高いでしょう。
甘草は昔の日本でどのように使われていた?
甘草は中国から漢方薬として伝わり、日本でも生薬や甘味料として利用されていました。砂糖が貴重だった時代には、薬用だけでなく食品の甘味補助としても重宝されています。
ただし、日本で広く野生採取されていた植物というよりは、輸入や栽培された薬草として扱われていた面が強いです。
まとめ
『美味しんぼ』に登場した“アマクサ”の植物描写は、実際の甘草(カンゾウ)とはかなり異なっており、視聴者の間でも長年疑問視されてきました。
英語名「リコリス」からヒガンバナ属と混同された可能性や、アニメ演出上の簡略化など、複数の説が考えられます。少なくとも、実際の甘草はノビルや玉ねぎのような白い球根植物ではなく、細長い根を利用する植物です。


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