夏目漱石の『坊っちゃん』は、無鉄砲で正義感の強い主人公が四国の中学校へ赴任し、騒動を巻き起こす物語として知られています。
しかし物語は、坊っちゃんが四国へ行く前の東京での生活から始まります。
特に、学校時代や教師になる前の経験は、後の坊っちゃんの性格や行動に大きく影響しています。
この記事では、『坊っちゃん』で主人公が四国へ赴任する前に起きた学校関係の出来事について、わかりやすく整理して解説します。
坊っちゃんは子どもの頃から「無鉄砲」だった
物語冒頭では、坊っちゃんが東京で育ったころの様子が描かれています。
坊っちゃんは、考えるより先に行動する性格で、周囲から「乱暴者」のように見られていました。
例えば、二階から飛び降りてけがをしたり、友達とけんかをしたりする場面があります。
しかし本人には悪気がなく、裏表のない正直な性格として描かれています。
この「曲がったことが嫌い」という性格が、後の学校騒動につながっていきます。
家族との関係が坊っちゃんの性格を作った
坊っちゃんは家族からあまり愛されていませんでした。
兄は優秀で父母から期待されていましたが、坊っちゃんは「どうせ役に立たない」と見られていました。
そんな中で唯一、坊っちゃんを大切にしていたのが下女の「清(きよ)」です。
清は坊っちゃんの正直さを信じ、いつも味方になってくれました。
この経験があるため、坊っちゃんは「本当に信頼できる人」を非常に大切にするようになります。
学校卒業後に物理学校へ進学した
坊っちゃんは学校を卒業したあと、「物理学校」に進学します。
現在でいう理工系の専門学校のような存在です。
坊っちゃん自身は特別勉強熱心ではありませんでしたが、数学だけは比較的得意でした。
ただし、真面目に学問へ打ち込むというより、「何となく卒業した」という雰囲気で描かれています。
そのため、後に教師になっても「教育者らしいタイプ」ではなく、感情で動く人物として周囲と衝突しやすくなります。
四国赴任前に教師の仕事を紹介される
物理学校を卒業した坊っちゃんは、特にやりたい仕事もなく過ごしていました。
そんな時、知人の紹介によって四国の中学校教師の話が舞い込みます。
坊っちゃん自身は教育に強い情熱があったわけではありません。
しかし、「月給四十円」という条件にひかれ、赴任を決意します。
当時としては悪くない給料であり、若者が地方教師になることは珍しくありませんでした。
赴任前から「学校社会」との相性の悪さが見えていた
坊っちゃんは子どものころから、ずる賢い人や陰口を嫌う性格でした。
そのため、上下関係や駆け引きが多い学校社会とは、もともと相性が良くありません。
東京にいた頃から、「思ったことをすぐ口にする」ため、人間関係で衝突する傾向がありました。
四国赴任後に赤シャツや野だいこらと対立するのも、こうした性格が背景にあります。
つまり、赴任前の出来事は単なる前置きではなく、物語全体の伏線になっているのです。
坊っちゃんが四国へ向かった理由
坊っちゃんは、東京に強い未練があったわけではありません。
家族との関係も薄く、父母もすでに亡くなっていました。
そのため、「とにかく新しい仕事をしてみるか」という勢いで四国へ向かいます。
ただ、唯一気にかけていたのが清の存在でした。
清との別れの場面では、坊っちゃんの不器用な優しさが感じられます。
まとめ
『坊っちゃん』で主人公が四国へ赴任する前には、子ども時代の騒動や家族との関係、物理学校への進学など、後の性格形成につながる出来事が描かれていました。
特に「正直すぎる性格」と「曲がったことが嫌い」という特徴は、赴任後の学校騒動の大きな原因になります。
また、下女・清との関係は、坊っちゃんの人間らしさや優しさを象徴する重要な要素です。
四国赴任前の場面を理解すると、『坊っちゃん』という作品をより深く楽しめるでしょう。


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