美大受験のデッサンがつらい…描くのが苦痛になった人が知っておきたい考え方と乗り越え方

美術、芸術

美術系の予備校に通っていると、「美術は好きなのにデッサンが苦痛」という感覚に悩む人は少なくありません。

特に、美大受験では長時間同じモチーフと向き合う必要があり、集中力や精神力も求められます。

「形は取れるのに最後まで描き切れない」「画塾へ行くのが憂鬱」「デスケルが嫌いすぎる」――そう感じるのは、実は珍しいことではありません。

この記事では、デッサンへの苦手意識や、美術を好きなのに苦しくなってしまう理由、そして少し気持ちを楽にする考え方について解説します。

「美術が好き」と「受験デッサンが好き」は別

まず知っておきたいのは、美術が好きな人全員が受験デッサンを好きなわけではないということです。

受験デッサンには、

  • 観察力
  • 再現力
  • 忍耐力
  • 長時間の集中

など、かなり特殊な能力が求められます。

つまり、「絵を描くことが好き」と「受験課題としてのデッサンが好き」は別物なのです。

実際、美大生やプロの作家の中にも、「受験デッサンは嫌いだった」という人はかなりいます。

飽き性・落ち着きがない人ほど苦しみやすい

長時間のデッサンは、同じ対象を何時間も見続ける作業です。

そのため、刺激を求めやすい人や、思考が次々動くタイプの人ほど苦しく感じやすい傾向があります。

特に、

  • アイデアを出すのが好き
  • 自由制作が好き
  • 完成形を想像するのは好き
  • 同じ作業が苦手

という人は、「基礎訓練」であるデッサンとの相性に悩みやすいです。

ただ、それは「才能がない」という意味ではありません。

むしろ、発想型の人ほど受験段階で苦しむケースがあります。

デスケルが嫌いなのは珍しくない

デスケル(デスケール)は、形を正確に測るための補助道具ですが、「これのせいで描くのがつまらなくなる」と感じる人もいます。

特に、デスケル通りに描かなければならない感覚が強くなると、

「観察」より「正解探し」になってしまう

ことがあります。

すると、絵を描く楽しさよりも、「間違えたくない」というストレスが勝ってしまうのです。

そのため、一時的にデスケルを減らして、

  • 全体感覚で描く
  • 大きな形だけ追う
  • 線の勢いを重視する

練習を混ぜる人もいます。

もちろん受験では精度も重要ですが、「デスケル依存で描くこと自体が嫌になる」状態は、あまり良い方向とは言えません。

「上手く描く」より「最後まで見る」が大切

デッサンで伸び悩む人の中には、「最初に形を合わせたら飽きる」というケースがあります。

しかし、デッサンで本当に重要なのは、後半の観察です。

例えば、

前半 後半
形を取る 空気感を作る
構図を決める 質感を観察する
比率を合わせる 光や重さを描く

というように、後半ほど「絵としての深さ」が出ます。

多くの受験生は、「最後まで集中できる力」を育てる途中で苦しみます。

つまり、今苦しいのは「才能がない」ではなく、「描き切る筋力」を鍛えている途中とも言えるのです。

美大に入ると制作はかなり変わる

受験中は、「美大に入っても一生このデッサンをするのか…」と不安になる人もいます。

しかし実際には、美大に入ると制作内容はかなり変わります。

もちろん基礎力は必要ですが、大学では、

  • コンセプト
  • 表現方法
  • 発想力
  • 作品性

なども重視されるようになります。

受験デッサンだけが美術ではありません。

そのため、「受験デッサンが苦手=美術に向いていない」とは全く言い切れないのです。

苦しい時は「好きだった理由」を思い出す

受験が長引くと、「上手くならなきゃ」「評価されなきゃ」という気持ちが強くなり、美術そのものが苦しくなることがあります。

そんな時は、一度「なぜ美術が好きだったのか」を思い出すのも大切です。

例えば、

  • 自由に描けるのが楽しかった
  • 色を作るのが好きだった
  • 人に見てもらえるのが嬉しかった
  • 作品で感情を伝えたかった

など、原点は人それぞれです。

受験技術だけに心を支配されると、好きだった気持ちまで苦しくなってしまいます。

まとめ

美術が好きなのに、デッサンが苦痛になることは珍しくありません。

特に、美大受験のデッサンは「観察力」だけでなく、「長時間向き合う精神力」も必要な特殊な訓練です。

また、デスケルが嫌いだったり、最後まで集中できなかったりする悩みも、多くの受験生が経験しています。

大切なのは、「受験デッサンが苦手=美術に向いていない」と決めつけないことです。

美術には本来もっと広い表現があり、受験はその入口のひとつに過ぎません。

だからこそ、少し視点を変えながら、「なぜ自分は美術をやりたいのか」を忘れずに進むことが、長く制作を続ける力になっていきます。

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