古文『面(おも)忘れいかなる人のするものそ我(われ)はしかねつ継ぎてし思へば』について、文法的な分析を行います。特に「継ぎてし」の部分の解釈と「し」の品詞について解説します。
文全体の意味
この文は、「顔を忘れるなどということを、どんな人がするのだろうか。私はできない。絶えず思っているので。」という意味です。「面忘れ」は顔を忘れること、「しかねつ」はできないことを示しています。
「継ぎてし」の解析
「継ぎてし」は、「継ぎて」の後に「し」が続いています。ここでの「し」は副助詞または係助詞として働き、前述の状態や動作を強調・説明する働きを持っています。完了の連用形+過去の連体形と解釈するよりも、前の内容を受けて感情や態度を表す助詞として考える方が自然です。
副助詞・係助詞としての「し」の用法
副助詞「し」は、理由・根拠を表すことが多く、「~なので」という意味を持ちます。ここでは、「絶え間なく思っているので(だから、顔を忘れられない)」というニュアンスを伝えています。係助詞的に解釈すると、文全体の焦点を「我はしかねつ」に置く働きがあります。
まとめ
『面忘れ』の「継ぎてし」は、完了の連用形+過去の連体形ではなく、副助詞・係助詞「し」と解釈するのが妥当です。文全体としては、顔を忘れることはできない、絶えず思っているという心情を表す古文表現となっています。


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