行列Aによる左乗法の核の基底について理解が難しいと感じている方に向けて、具体的な解説を行います。この問題は、行列の核(null space)や行基本変形を理解するために重要です。特に、なぜ行列を階段行列にしたものから線形独立な基底が求められるのか、そして0と1以外の数が解答に含まれる理由について詳しく説明します。
行列の核とは?
行列の核とは、行列Aに左から掛けたときにゼロベクトルになるようなベクトルの集合です。言い換えれば、A * v = 0を満たすベクトルvが全て集まった空間が行列Aの核です。この空間の基底を求めることが、この問題の本質となります。
行列Aの核の基底は、行列の列に関する線形独立なベクトル群です。この基底を求めるには、行列Aの階段行列を使う方法が有効です。
行列Aを階段行列に変形する理由
行列Aを階段行列に変形するのは、核の基底を求めるために非常に便利だからです。階段行列にすると、ゼロでない列(主列)が簡単に分かり、これらの列に対応する未知数を使って核の基底を構築できます。
階段行列に変形した行列は、単純化されて解を求めやすくするため、行列の核を求める上で重要な役割を果たします。この変形を行った後、自由変数を使って核の基底を求めます。
行基本変形を行った後に0と1以外の数が含まれる理由
行基本変形を最後まで行うと、確かに主列は0または1であることが多いですが、それだけではすべての解が求められるわけではありません。実際、解に0と1以外の数が現れる理由は、線形独立な解の中で非ゼロのスカラー倍が含まれるためです。
例えば、行列の階段行列を使うと、主列が0と1で終わりますが、それに対応する解は、自由変数を使うことで、任意のスカラー倍を取ることが可能です。そのため、解の中には0や1以外の数が含まれることがあります。
核の基底を求める手順
核の基底を求めるための具体的な手順は次の通りです。
- 行列Aを階段行列に変形する。
- 主列に対応する変数を定め、それに基づいて自由変数を設定する。
- 自由変数を使って解の候補を作り、それらが線形独立であるかを確認する。
この手順で行列Aの核を求めると、線形独立なベクトル群が得られ、それが核の基底となります。
まとめ
行列の左乗法による核の基底を求める際、階段行列に変形する方法が非常に有効です。また、行基本変形を最後まで行うことで0と1以外の数が現れる理由は、解が自由変数を含む線形独立な解の集合であるためです。このプロセスを理解することで、行列の核の基底を正確に求めることができます。
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