トンネル掘削において、湧水は施工上の大きな課題です。特にトンネルボーリングマシン(TBM)とNATM(新オーストリアトンネル工法)では、湧水への対応方法が異なります。この記事では、TBMが湧水に対してどの程度強いのか、NATMとの違いを解説します。
トンネルボーリングマシン(TBM)の特性
TBMは掘削と支保工の設置を同時に行う機械化された工法です。シールド型TBMでは掘削面が囲まれるため、水圧の高い地下水帯でも掘削が可能です。
例: 土圧シールドやEPB(Earth Pressure Balance)シールドは、泥水や土圧を利用して掘削面の安定を保ち、湧水の侵入を抑える設計がなされています。
NATMの湧水対応
NATMでは、トンネル断面を掘削後に支保工で安定させるため、掘削面が一時的に露出します。湧水がある場合は、水が止まるのを待つ、または注入止水材で処理してから施工を進める必要があります。
このため、TBMと比較するとNATMは湧水に対して即応性が低く、工期が長くなる傾向があります。
TBMが湧水に強い理由
TBMは掘削面を囲むシールド構造により、湧水の圧力を分散させ、作業空間への水の流入を抑えられます。また、泥水や加圧空気を使用することで地下水を制御しつつ掘削が可能です。
ただし、湧水量が極端に多い場合や透水性の高い地盤では、追加の止水対策や排水設備が必要になります。
施工上の注意点
TBMでも湧水対応には限界があります。掘削前の地質調査や湧水量の予測、加圧シールドやグラウト注入などの事前対策が不可欠です。適切な設計と管理により、湧水帯でも安全かつ効率的な掘削が可能です。
まとめ
TBMはシールド構造により湧水に強く、地下水圧の高い地盤でも掘削を進められる利点があります。一方、NATMは掘削面が露出するため、湧水の処理を待つ必要があります。湧水対策には地質調査や止水技術の適用が重要であり、工法選択に応じた計画が求められます。


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