鋭敏比の求め方:一軸圧縮試験の結果から解く土質力学の問題

物理学

土質力学における鋭敏比(sensitivity ratio)は、土壌の強度がどれだけ変化するかを示す指標です。特に、一軸圧縮試験を行った結果から鋭敏比を求めることは、土の性質や圧縮強度に対する理解を深めるために重要です。本記事では、乱れの少ない粘土に対する一軸圧縮試験の結果から鋭敏比を求める方法を解説します。

鋭敏比とは?

鋭敏比とは、土壌の強度が試料の状態によってどれだけ変化するかを示す比率です。通常、土壌を練り返す前の一軸圧縮強さ(オリジナルの強さ)と、練り返し後の一軸圧縮強さ(試料を変更した後の強さ)を比較して計算されます。

鋭敏比が高いほど、土壌の強度が大きく変化し、逆に低いほど土壌の強度は変化しにくいということになります。これは、土壌の品質や使用における安定性を評価するために重要な指標となります。

問題の概要と条件

問題文における一軸圧縮試験の結果をもとに、鋭敏比を求めます。具体的な条件は以下の通りです。

  • 練り返す前の一軸圧縮強さ:σ1 = 86 kN/m²
  • 練り返し後の一軸圧縮強さ:σ2 = 20 kN/m²

鋭敏比を求めるためには、これらの値を用いて計算を行います。

鋭敏比の計算式

鋭敏比(S)は、次の式で計算されます。

S = σ1 / σ2

ここで、σ1は練り返し前の一軸圧縮強さ、σ2は練り返し後の一軸圧縮強さです。この式を使って鋭敏比を求めることができます。

鋭敏比の計算

与えられたデータを使って鋭敏比を計算しましょう。

S = 86 kN/m² / 20 kN/m² = 4.3

このように、鋭敏比は4.3となります。これは、練り返し後に土壌の強度が元の強度に比べて約4.3倍低下したことを示します。

実務での鋭敏比の重要性

鋭敏比は、土壌の状態がどれだけ変化するかを示すため、建設や土木工事において非常に重要です。特に、土壌の圧縮強さがプロジェクトの設計や安定性に与える影響を理解するためには、鋭敏比の値を確認することが欠かせません。

高い鋭敏比を持つ土壌は、施工後に強度が大きく変化する可能性があり、特に地盤改良や土壌改良の計画においてその特性を考慮する必要があります。

まとめ

鋭敏比は、土壌の強度が練り返し前後でどれだけ変化するかを示す指標です。この問題では、与えられた一軸圧縮強さの値から鋭敏比を計算し、4.3という結果を得ました。土壌の性質を理解し、適切な地盤改良や施工を行うためには、鋭敏比の計算が重要なステップとなります。

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