可換環におけるイデアルの和の性質:I+Jが最小のイデアルであることの証明

大学数学

代数学の問題において、イデアルの和が最小のイデアルであることを示すことは重要な課題です。ここでは、可換環RのイデアルI, Jに対して、I + J = {a + b | a ∈ I, b ∈ J}が最小のイデアルであることを証明する方法について解説します。問題の解法には、イデアルの定義とその性質に関する理解が必要です。

イデアルの定義と和の定義

まず、イデアルの定義から確認しましょう。可換環Rの部分集合Iがイデアルであるとは、次の2つの条件を満たす場合です。

  • IはRの加法群の部分群である。
  • 任意のr ∈ R, i ∈ Iについて、r・i ∈ I。

イデアルI, Jが与えられたとき、I + J = {a + b | a ∈ I, b ∈ J}が定義されます。この集合がイデアルであることを示し、さらにIとJの和が最小のイデアルであることを証明します。

I + Jがイデアルであることの証明

I + Jがイデアルであるための条件を満たすことを示す必要があります。まず、I + Jが加法群の部分群であることを確認します。すなわち、a + b, c + d ∈ I + Jならば、(a + b) + (c + d)が再びI + Jに含まれることを示す必要があります。

また、任意のr ∈ Rに対して、r・(a + b) ∈ I + Jであることを確認します。ここで、a ∈ I, b ∈ Jを考えたとき、r・a ∈ Iおよびr・b ∈ Jであり、したがってr・(a + b) = r・a + r・bがI + Jに含まれます。このように、I + Jは加法群であり、加法と乗法に関して閉じているので、I + Jはイデアルであることが確認できます。

I + Jが最小のイデアルであることの証明

I + Jが最小のイデアルであることを示すためには、I ∪ Jを含む最小のイデアルとして、I + Jが最小であることを確認します。まず、任意のa ∈ I, b ∈ Jに対して、a + b ∈ I + Jが成り立つため、I + JはI ∪ Jを含みます。

次に、I + Jより小さいイデアルが存在しないことを示す必要があります。もしI + Jより小さいイデアルKが存在した場合、KはI ∪ Jを含まなければならず、よってK = I + Jであることが示されます。したがって、I + JはI ∪ Jを含む最小のイデアルであると結論できます。

まとめ

今回の問題では、可換環Rにおける2つのイデアルIとJについて、I + Jが最小のイデアルであることを証明しました。I + Jがイデアルであり、かつI ∪ Jを含む最小のイデアルであることを確認することができました。イデアルの性質を理解することで、より深い代数学の問題にも対応できるようになります。

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