高校化学でよく出題される析出量を求める問題は、溶解度や温度変化を考慮しながら計算を進める必要があります。特に、CuSO4飽和水溶液における析出量を求める問題では、溶解度の変化と分子量の計算が複雑になることがあります。この記事では、問題文の解法の過程で起こりやすい誤りを解説し、正しい解き方をステップごとに紹介します。
問題文の理解と解析
問題文には、60℃のCuSO4飽和水溶液100gを20℃まで冷却するときに、CuSO4・5H2Oが析出する量を求めるという内容が書かれています。この問題では、まず20℃と60℃におけるCuSO4の溶解度(それぞれ20gと40g)を基に、析出量を計算する必要があります。
重要なのは、60℃で溶けていたCuSO4が冷却により20℃で溶解度を下回る分が析出することです。したがって、温度変化に伴う析出量を求めるには、溶解度の差を計算し、その差が析出する量になります。
自分の解法における誤り
質問者の解法では、「X/140=20/120」としている部分に誤りがあります。ここで、溶解度の関係式を適切に扱うことができていません。正しい方法では、20℃の溶解度(20g)と60℃の溶解度(40g)を基に計算を行うべきです。
まず、60℃で溶けていたCuSO4(40g)が、20℃では20gに減少することを理解します。この差(20g)が析出するCuSO4の量になります。この量に対して、CuSO4・5H2Oの分子量(160 + 5×18 = 250)を考慮して計算を進めます。
正しい解法ステップ
1. 60℃のCuSO4飽和水溶液では、40gのCuSO4が溶けています。
2. 20℃では、CuSO4の溶解度が20gなので、溶けていたCuSO4のうち、20gが析出します。
3. 20gのCuSO4が析出するので、その質量をCuSO4・5H2Oの分子量を用いて計算します。
4. CuSO4・5H2Oの分子量(250g/mol)に対して、CuSO4(160g/mol)の割合を考慮します。したがって、20gのCuSO4に対して析出するCuSO4・5H2Oの質量は次のように計算できます:20g × (250g/160g) = 31.25g
解析と結論
このように、正しい計算を行うと、20℃から60℃に冷却する際に析出するCuSO4・5H2Oの量は約31.25gであることが分かります。質問者が行った解法では、溶解度の関係を誤って扱ったため、結果として答えが得られませんでした。
この問題で最も大切なのは、溶解度の差と分子量を正しく適用することです。問題文に示された溶解度の変化をきちんと理解し、分子量の変換を正しく行うことで、正しい答案が得られるようになります。
まとめ
CuSO4・5H2Oの析出量を求める問題では、溶解度の変化を基にして析出量を計算することが必要です。正しいアプローチでは、20℃と60℃の溶解度差を求め、その差に基づいて析出する物質の質量を計算します。質問者の解法で見られる誤りを理解し、適切な計算方法を使用することで、正しい結果に到達できます。
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