古典文法の形容詞の活用で「カリ活用」の語形を覚えるとき、教科書や参考書によって示し方が少し違うことがあります。例えば、一般的に形容詞の活用では「から・かり・○・かる・○・かれ」と覚えますが、『八澤のたった6時間で古典文法』では「から・かり・かり・かる・かれ・かれ」のように語形を並べて覚えることが紹介されることがあります。本記事では、この違いの背景と、どのように覚えるべきかの考え方を解説します。
古典の形容詞活用の仕組み
古典文法では、形容詞の活用には「本活用」と「カリ活用(補助活用)」の二つの系列があります。形容詞の基本的な活用形自体はク活用・シク活用に分かれますが、助動詞などが付く場合に使われるのが「カリ活用」です。「カリ活用」は「から・かり・(かり)・かる・(かれ)・かれ」の語形が並びます。これは語幹に「あり」が付いた形が縮まってできたものです。([参照]古典に出てくる形容詞活用一覧)
具体的には、ク活用の連用形「く」に「あり(存在)」が付いて「から」「かり」「かる」「かれ」などの形になり、助動詞を付けやすくしています。([参照]本活用と補助活用の関係)
本活用と補助活用(カリ活用)の違い
本活用は形容詞そのものの基本的な活用形です。例えば「高し」であれば、終止形は「高し」であるのに対して、助動詞が付いた形では「高かりけり」のようにカリ活用が使われます。カリ活用の語形を並べて示すと、「から(未然)・かり(連用)・かる(連体)・かれ(已然/命令)」となり、対応する本活用とは形が異なります。([参照]ク活用とシク活用の説明)
つまり、本活用とカリ活用は同じ形容詞から派生していますが、用法によって用いられる活用形が変わるため、混同しないように覚える必要があります。
八澤の覚え方を使うメリットとデメリット
八澤の古典文法のように、活用形を「から・かり・かり・かる・かれ・かれ」のように並べて覚える方法は、一見すると語形の数を増やして覚えることになるため、初めて学ぶ人には直感的にわかりやすいというメリットがあります。特に覚え方の導入としては習得の助けになる場合もあります。ですが、厳密な古典文法としては「カリ活用」という補助活用の語形だけを並べたときに本来は「(かり)・(かれ)」の項目が形式的に空白になることもあります。([参照]古典文法の具体例)
一方で、このように重複して覚える方法は、後から本活用と補助活用の違いを理解する際に混乱を招くことがあります。最終的には本活用・カリ活用それぞれの規則を理解したほうが正確な文法知識が身につきます。
どの覚え方を選ぶべきか
結論として、八澤のように語形を並べて覚える方法を最初のステップとして使うこと自体は学習の助けになりますが、最終的には標準的な活用表の仕組みを理解することが重要です。まずは覚えやすい方法で語形に慣れ、次に本活用と補助活用(カリ活用)との関係を学び直すことで、より深い理解につながります。
学習初期では語形の並べ方を柔軟に利用しつつ、基礎が固まってきたら辞典や教科書の標準的な表記に移行するのが効果的な方法です。
まとめ
古典文法の形容詞の活用には本活用とカリ活用という二つの系列があり、それぞれの語形を理解することが大切です。八澤のように覚え方の工夫を使うことは学習の初期段階では有効ですが、最終的には標準的な活用表の仕組みを理解することが学習の定着につながります。
柔軟な覚え方を活用しつつ、古典文法の基本構造をしっかり押さえていきましょう。


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