個人研究用にスペクトラムアナライザ(スペアナ)を導入する際、「TinySA Ultraで足りるのか」「ベンチトップ型にすべきか」は多くの方が悩むポイントです。特に屋外で電波測定を考えている場合、携帯性と性能のバランスが重要になります。本記事では用途別に整理して解説します。
まず前提:何を測定したいのか
スペアナ選びで最も重要なのは、測定対象の周波数帯・必要ダイナミックレンジ・測定精度です。
例えば、アマチュア無線やISM帯の簡易観測、フィールドでの電波有無確認であれば、ハンディ型でも十分なケースが多いです。
一方、フィルタ特性評価や高精度なEMI解析を行う場合は、より高性能な機種が必要になります。
TinySA Ultraの特徴
TinySA Ultraは低価格帯ながら広い周波数レンジをカバーし、持ち運びも容易です。
コストパフォーマンス重視の個人研究用途では非常に魅力的な選択肢です。
ただし、位相雑音、ダイナミックレンジ、分解能帯域幅(RBW)の性能はベンチトップ機に劣ります。
ベンチトップ型のメリット
据え置き型は安定した基準発振器、高いダイナミックレンジ、優れたノイズフロアを持ちます。
微弱信号の測定や高精度なスペクトル解析には明らかに有利です。
ただし価格が高く、屋外運用には電源確保などの制約があります。
屋外測定を考慮する場合
屋外で電波環境を確認する用途なら、携帯性は大きな利点になります。
ハンディ型であればバッテリー駆動が可能で、アンテナと組み合わせて即座に観測できます。
まずはフィールド確認用途か、精密評価用途かを明確にすることが重要です。
用途別の簡易比較
| 用途 | TinySA Ultra | ベンチトップ型 |
|---|---|---|
| 屋外電波確認 | ◎ | △ |
| 回路評価 | ○ | ◎ |
| 高精度EMI測定 | △ | ◎ |
| 価格 | 安価 | 高価 |
現実的な選択肢
個人研究レベルであれば、まずTinySA Ultraを導入し、必要に応じて上位機種を検討する方法も現実的です。
特に予算が限られている場合、最初から高額機に投資する必要はありません。
実際に使ってみて、性能不足を感じた段階でアップグレードする方が合理的です。
まとめ
屋外での電波確認や個人研究用途であれば、TinySA Ultraは十分実用的な選択肢です。
一方で、微弱信号の精密測定や研究レベルの評価が目的なら、ベンチトップ型が有利です。
まずは用途を明確にし、「携帯性重視か、測定精度重視か」という軸で判断するのが失敗しない選び方です。


コメント