群論に関する問題では、ある集合が群を形成するかどうかを証明することが求められます。特に、Q^*が有理数の乗法に関して群を形成することと、Q^*が群Sの部分群であることを示す問題は、群論の基礎的な理解を深めるために重要です。この記事では、これらの証明をわかりやすく解説します。
Q^*が有理数の乗法に関して群になることの証明
Q^*はQから0を除いた集合、つまり有理数の0以外の全ての数を含みます。この集合が乗法に関して群を形成するためには、以下の群の定義を満たす必要があります。
- 閉包性:任意のa, b ∈ Q^* に対して、ab ∈ Q^* であること。
- 単位元の存在:Q^*の中に、乗法において単位元となる要素が存在すること。
- 逆元の存在:Q^*の任意の要素に対して、その逆元がQ^*内に存在すること。
- 結合法則:Q^*内の任意の要素に対して、結合法則が成立すること。
まず、Q^*の任意のa, b ∈ Q^*に対して、a * bは有理数の積であり、0を除いた有理数であるため、ab ∈ Q^*が成立します。したがって、閉包性が成り立ちます。
次に、1は乗法の単位元であり、1 ∈ Q^* です。したがって、単位元の存在が確認できます。
また、任意のa ∈ Q^*に対して、逆元は1/aであり、1/aもQ^*に含まれます。したがって、逆元の存在が確認できます。
結合法則は、有理数の乗法が結合法則を満たすことから、Q^*内でも成立します。したがって、Q^*は乗法に関して群を形成します。
Q^*が群Sの部分群であることの証明
次に、Q^*が群S = {a + b√2 | a, b ∈ Q, a² + b² ≠ 0}の部分群であることを示します。
群Sは、a + b√2の形の元で構成されており、a, bは有理数です。また、a² + b² ≠ 0という条件により、aとbがともにゼロではないことが保証されています。
Q^*がSの部分群であるためには、Q^*がSに含まれており、かつSの群の定義を満たす必要があります。まず、Q^*の要素は有理数の積であり、a + b√2の形の元が乗法で閉じることが確認できます。
次に、S内の任意の元がQ^*の乗法に対して閉じていることが示されます。具体的には、a + b√2とc + d√2の積を考えたとき、その結果は再びa’ + b’√2の形になるため、Q^*内に収束します。したがって、Q^*はSの部分群であることが確認できます。
まとめ
Q^*は有理数の乗法に関して群を形成し、また群Sの部分群であることが示されました。この証明を通じて、群論における群の定義や部分群の条件を理解することができました。群論は抽象的ですが、具体例を通してその特性を深く理解することが重要です。
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