水溶液のpHを比較する際、異なる物質や濃度によってpHが大きく異なることがあります。今回の質問では、A、B、Cの3つの水溶液がpHの高い順に並べられています。A、B、Cそれぞれの水溶液のpHがどうしてそのように並べられるのか、その理由を化学的観点から解説します。
A: 塩酸の希釈水溶液
水溶液Aは、1.0×10⁻⁵mol/Lの塩酸を100倍に希釈したものです。塩酸は強酸であり、pHは酸の濃度に比例して低くなります。希釈後でも、塩酸のH⁺イオンが水中に多く残るため、pHは酸性になりますが、希釈されることでその強さは弱まります。
塩酸は水に溶けると完全に解離してH⁺イオンを放出するため、希釈後でも一定の酸性を保ちますが、pHは4〜5程度になると予測されます。
B: 水酸化ナトリウムの希釈水溶液
水溶液Bは、1.0×10⁻⁴mol/Lの水酸化ナトリウムを1000倍に希釈したものです。水酸化ナトリウムは強塩基であり、溶けると完全にOH⁻イオンを放出します。希釈することでその強さは減少しますが、それでも水酸化ナトリウムが放出するOH⁻イオンにより、pHはアルカリ性を保ちます。
この水溶液のpHは、おおよそ12〜13の範囲に収まると予測されます。水酸化ナトリウムの希釈後でも、高いpHを持つ強塩基性を示します。
C: 希硫酸と水酸化カリウムの混合水溶液
水溶液Cは、5.0×10⁻³mol/Lの希硫酸50mlと1.0×10⁻²mol/Lの水酸化カリウム水溶液50mlを混合したものです。ここでは酸と塩基が中和反応を起こすため、生成される水溶液のpHはその反応の結果によって決まります。
希硫酸と水酸化カリウムの中和反応では、H⁺イオンとOH⁻イオンが結びついて水を生成し、残るのは水と塩(硫酸カリウム)です。この場合、酸と塩基がほぼ完全に中和されるため、生成される水溶液はpHが7近くに近づくことが予想されます。わずかな過剰な酸または塩基の影響によって、pHは少し酸性かアルカリ性に偏る可能性もありますが、基本的には中性に近いpHとなります。
pHの高い順: B > C > A
これらの3つの水溶液をpHの高い順に並べると、B > C > Aとなります。Bの水酸化ナトリウム水溶液は非常に高いpHを示す強塩基であり、pHが最も高くなります。Cの中和後の水溶液はほぼ中性ですが、わずかな塩基または酸の残留によって中性に近いpHを示します。Aの塩酸は酸性であり、最も低いpHを示すため、pHの順番では最後になります。
まとめ
このように、A、B、Cの水溶液は、それぞれ異なる酸性・塩基性の特性を持ちます。水酸化ナトリウム水溶液Bは非常に高いpHを持ち、次いで希硫酸と水酸化カリウムが中和反応を起こした水溶液Cが来ます。そして、最も酸性の強い塩酸Aが最も低いpHを持つことになります。これらの理解をもとに、水溶液のpHを予測することが可能です。


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