重なり積分と軌道の関係について:2原子分子のS12の挙動と近似

化学

物理化学における重なり積分は、分子軌道理論の基礎的な概念の一つです。特に、2原子分子における軌道の重なり積分は、分子の性質や結合エネルギーに大きな影響を与えるため、重要な役割を果たします。この質問では、特にS12(重なり積分)に関する疑問が挙げられています。この記事では、問題の背景や計算方法について解説します。

重なり積分の基本的な定義と計算方法

重なり積分S12は、2つの軌道の重なり具合を表す量で、数学的には以下のように表されます。
S12 = ∫ψ1(x)ψ2(x)dx
ここで、ψ1(x)とψ2(x)は、各軌道の波動関数です。重なり積分は、2つの波動関数がどれだけ重なり合っているかを示す指標となり、分子の結合特性を予測するために重要です。

質問にあるように、x1が1S軌道、x2が3dxy軌道のとき、重なり積分はどのように挙動するのでしょうか。特に、核間距離Rが0から無限大に変化する場合、重なり積分S12の挙動を考察します。

1S軌道と3dxy軌道の重なり積分の計算

1S軌道と3dxy軌道は、異なる種類の軌道であり、それぞれが異なる対称性を持っています。1S軌道は球対称性を持ち、3dxy軌道は平面対称性を持っています。このため、これらの軌道がどれだけ重なり合うかは、核間距離Rに強く依存します。

実際、核間距離Rが非常に大きくなると、軌道の重なりは減少し、最終的には重なり積分S12は0に近づきます。このように、Rが無限大に近づくと、2つの軌道がほとんど重ならなくなり、S12の値は0に収束するのです。

2pz軌道と3dxz軌道の場合

次に、x1が2pz軌道、x2が3dxz軌道の場合を考えます。この場合も、2つの軌道は異なる対称性を持っており、特にz軸方向とx軸方向の違いが重なりに影響します。

こちらの場合も、核間距離Rが増加するに従って、重なり積分S12は0に近づきます。これは、2pz軌道と3dxz軌道が互いに直交する性質を持っているため、これらの軌道が重なることは極めて少ないからです。

結論:重なり積分の挙動

質問の通り、1Sと3dxy、または2pzと3dxzの軌道では、核間距離が増加すると重なり積分S12は0に近づくことがわかります。この現象は、軌道の対称性が異なるため、十分な重なりが得られないからです。

したがって、Rが無限大に近づくと、これらの重なり積分は0に近い値を示し、図にすると横線になるというのが正しい理解です。実際に計算する場合、この挙動を反映させることが重要です。

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