今回は、NaOHの純度を求めるための実験問題に関して、詳しく解説していきます。この実験では、NaOHが含まれる結晶から不純物を除き、純度を算出する過程を理解することが目的です。以下では、問題に記載された各実験について順を追って説明します。
1. 実験1:NaOH結晶を水に溶かす
最初の実験では、1.00gのNaOHを純水に溶かし、100mLの溶液Aを作成しました。この段階で、NaOHは完全に水に溶けて、溶液が均一になっています。溶液Aは今後の実験に使用される基準溶液となります。
ここでは、まずNaOHの質量を基に、NaOHのモル数を計算することが重要です。
2. 実験2:NaOHの量を塩酸で滴定
実験2では、溶液Aから20.0mLを取り、メチルオレンジを指示薬として0.100 mol/Lの塩酸を使って滴定しました。滴定の結果、46.0mLの塩酸を使用して溶液が色変化を示しました。
この反応は、NaOHとHClが中和反応を起こすことに基づいています。化学反応式は以下の通りです。
NaOH + HCl → NaCl + H2O
ここからNaOHのモル数を求め、元々のNaOHの質量を求めることができます。
3. 実験3:Na₂CO₃の存在を確認
実験3では、Na₂CO₃(炭酸ナトリウム)を含む不純物を測定するため、溶液Aから20.0mLを取り、塩化バリウム水溶液を加えて白色沈殿を生成させました。この沈殿はバリウム炭酸塩(BaCO₃)です。
この沈殿をろ過し、そのろ液にフェノールフタレインを加えてから、再び塩酸で滴定しました。この反応の化学式は次の通りです。
BaCO₃ + 2HCl → BaCl₂ + H₂O + CO₂
この反応により、Na₂CO₃に含まれるNa+の量を計算することができます。
4. 不純物Na₂CO₃の質量パーセントを求める
最終的に、実験2と実験3から得られたデータを元に、NaOHとNa₂CO₃の質量パーセントを計算します。ここでは、NaOHの純度を求めるために、各成分の質量を算出し、全体に対する割合を求めます。
具体的な手順としては、まずNaOHのモル数を計算し、それに対応する質量を求め、次にNa₂CO₃のモル数を計算し、その質量を求めます。それらを基に質量パーセントを算出することができます。
5. 実験2の滴定後の塩の析出量
実験2の滴定後の溶液を蒸発乾固すると、何gの塩(NaCl)が析出するかを計算します。この計算は、NaOHとHClが中和反応を行う量に基づいています。NaOHのモル数が求まった後、その量をNaClに変換し、最終的な質量を求めます。
計算式としては、NaOHとHClが1:1のモル比で反応することを利用して、NaOHのモル数からNaClの質量を求めます。
6. まとめ
この実験では、NaOHの純度を求めるために、滴定法や沈殿法を用いて不純物を取り除く方法を学びました。NaOHのモル数を計算することで、最終的に純度を算出できることがわかります。また、化学反応式を用いることで、実験ごとの反応を明確にし、必要な量を計算することが可能です。
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