この質問では、HClaq + NaOHaq → NaClaq + H₂O(液)という熱化学反応式が、燃焼エンタルピー、生成エンタルピー、蒸発エンタルピー、中和エンタルピーのどれに該当するかについて考察しています。まず、この反応式におけるエンタルピーΔHが-56.5kJであるという事実を元に、各エンタルピーの定義を見ていきます。
中和エンタルピーとは
中和エンタルピーとは、酸と塩基が反応して水と塩を生成する際に発生するエンタルピーの変化を指します。この反応式、HClaq + NaOHaq → NaClaq + H₂O(液)は、酸(HCl)と塩基(NaOH)が反応して水(H₂O)と塩(NaCl)を生成する中和反応であり、そのエンタルピー変化は中和エンタルピーに該当します。よって、この反応は中和エンタルピーを表しているといえます。
生成エンタルピーとの違い
生成エンタルピーとは、1モルの物質が標準状態で生成されるときのエンタルピーの変化を指します。この反応式で生成されるNaClやH₂Oは、それぞれ既に存在する物質であり、「1モルを生成」という形ではなく、あくまで酸と塩基が反応しているため、生成エンタルピーとは異なります。生成エンタルピーに該当するのは、例えばNaClやH₂Oをそのまま生成する反応です。
なぜ生成エンタルピーではないのか
質問者が指摘しているように、反応で生成される物質の係数が1であれば生成エンタルピーだと考えがちですが、この点では誤解が生じることがあります。生成エンタルピーは、特定の物質が標準状態で1モル生成されるときのエンタルピー変化を指し、その物質の生成が独立して行われる必要があります。しかし、今回の反応式は酸と塩基が反応して水と塩を生成する中和反応であるため、生成エンタルピーに該当しません。
まとめと考察
結論として、HClaq + NaOHaq → NaClaq + H₂O(液)の反応式は「中和エンタルピー」を表しており、「生成エンタルピー」ではないことが理解できます。生成エンタルピーは独立して1モルの物質が生成されるときのエンタルピーの変化に適用されるため、反応で生成されるNaClやH₂Oの生成過程とは異なるものと考えるべきです。質問者の疑問が解消され、理解が深まることを願っています。


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