鉄の含有率96%の銑鉄を得るための酸化鉄(III)の必要量計算方法

鉄の含有率96%の銑鉄を1kg得るには、理論的にどれくらいの酸化鉄(III)が必要か計算する方法について解説します。今回はFe=56, O=16という原子量を基に計算します。この記事では、化学的な計算を通じてその必要量を求める方法をわかりやすく説明します。

酸化鉄(III)の化学式とその計算方法

酸化鉄(III)の化学式はFe₂O₃です。この化学式を使って、1kgの銑鉄を得るために必要な酸化鉄(III)の質量を求めます。まず、銑鉄には鉄が96%含まれているので、1kgの銑鉄に含まれる鉄の質量は0.96kgとなります。

次に、酸化鉄(III)から鉄を得るための化学反応を考えます。酸化鉄(III)の1モル（159.7g）は、鉄2モル（2 × 56g）を提供します。これを元に、必要な酸化鉄(III)の質量を計算します。

酸化鉄(III)と炭素（または水素）を使って、次の化学反応で鉄を得ます。

Fe₂O₃ + 3C → 2Fe + 3CO₂

この反応では、酸化鉄(III)1モルが鉄2モルに変化します。つまり、酸化鉄(III)の分子1モルは、鉄2モル分を供給することがわかります。

まず、1kgの銑鉄に含まれる鉄の質量は0.96kgです。次に、酸化鉄(III)の分子量（Fe₂O₃）は159.7gで、これが2モルの鉄を提供します。鉄1モルの質量は56gですので、以下の計算が成り立ちます。

必要な鉄のモル数 = 0.96kg ÷ 56g/mol = 17.14モル

酸化鉄(III)のモル数 = 17.14モル ÷ 2 = 8.57モル

したがって、必要な酸化鉄(III)の質量は次のように計算されます。

酸化鉄(III)の質量 = 8.57モル × 159.7g/mol = 1367g ≒ 1.37kg

1kgの鉄を96%の含有率で得るためには、理論的には約1.37kgの酸化鉄(III)が必要です。この計算は、酸化鉄(III)から鉄を抽出する際の理論的な必要量を求めたものであり、実際の操作や実験では効率や反応条件によって異なる場合があります。