硫酸と水酸化ナトリウムの中和反応で酸性塩ができる理由とは？

「硫酸（強酸）と水酸化ナトリウム（強塩基）の中和反応で得られる塩が酸性になる理由は？」という疑問に対して、簡単に解説していきます。この質問を理解するためには、化学反応の基本的な理解が重要です。以下ではその理由を分かりやすく説明します。

中和反応とは？

中和反応は、酸と塩基が反応して水と塩を生成する反応です。例えば、硫酸（H2SO4）と水酸化ナトリウム（NaOH）が反応すると、水（H2O）と硫酸ナトリウム（Na2SO4）という塩ができる反応です。この反応自体は「酸と塩基が結びついて中和される」という基本的な化学反応の一例です。

硫酸は強い酸で、pHが非常に低い性質を持っています。一方、水酸化ナトリウムは強い塩基です。中和反応で生成される硫酸ナトリウム（Na2SO4）は中性の塩と思われるかもしれませんが、この反応後、残る水溶液は酸性を示します。その理由は、反応後に残る酸性の硫酸（H2SO4）の影響があるためです。

酸性塩と中性塩の違いは、塩の元となる酸と塩基が持っている性質に関連しています。硫酸のような強い酸は、反応後にもその酸性を引き継ぎやすいです。このため、硫酸ナトリウムを生成した後でも、水溶液は酸性を示します。逆に、強酸と強塩基が反応した場合に生成される塩は通常中性です。

例えば、硫酸（H2SO4）と水酸化ナトリウム（NaOH）の反応を考えたとき。

H2SO4 + 2NaOH → Na2SO4 + 2H2O

この反応では、硫酸と水酸化ナトリウムが反応して硫酸ナトリウム（Na2SO4）と水が生成されます。生成された硫酸ナトリウムは中性ではなく、酸性を示します。なぜなら、強酸（H2SO4）の影響が残るからです。

硫酸と水酸化ナトリウムの中和反応で得られるのは、硫酸ナトリウムという塩ですが、この塩が生成されるとき、反応後の水溶液は酸性を示します。それは、強酸である硫酸の影響が残るためです。化学の基本的な性質として、酸と塩基の反応後に生成される塩の性質は、酸と塩基の強さによって異なります。