受電盤のブレーカ容量選定と上位側遮断機の計算方法

工学

電気関係の仕事に従事している初心者の方々にとって、受電盤のブレーカ容量選定や上位側遮断機の容量計算は重要なポイントとなります。特に、複数のブレーカがぶら下がるようなシステムでは、上位側のブレーカ容量が適切かどうかを計算することが必要です。ここでは、受電盤と分電盤におけるブレーカ容量の選定方法と、上位側遮断機の計算について解説します。

ブレーカ容量の選定方法と基本的な計算式

まず、ブレーカ容量を選定する際の基本的な計算式を確認しましょう。例えば、負荷容量が3000VA、電圧が100Vの場合、電流は以下の式で計算できます。

電流 (A) = 負荷容量 (VA) ÷ 電圧 (V)

この計算結果は、

電流 (A) = 3000VA ÷ 100V = 30A

となります。さらに、安全率を1.25倍掛けることで、実際に選定するブレーカ容量が決まります。

選定電流 = 30A × 1.25 = 37.5A

したがって、37.5Aのブレーカを選定することになりますが、通常は市販されている標準的なサイズの50A(AF/40AT)を選ぶことが一般的です。

上位側の遮断機容量の計算方法

受電盤のブレーカ容量が決まった後、上位側の遮断機容量が適切かどうかを計算する必要があります。上位側のブレーカは、システム全体を守るための役割を果たしますが、複数のブレーカが接続されている場合、その容量の選定は以下の点に留意します。

まず、上位側遮断機の容量は、システム全体の負荷容量を考慮する必要があります。具体的には、受電盤からの最大負荷を基に、システム全体をカバーする容量を確保します。負荷が増加した場合は、その分上位側遮断機の容量も増やさなければなりません。

受電盤と分電盤のブレーカの関係

受電盤から分電盤へ配線する際に、受電盤と分電盤のブレーカは同じ容量(例えば50AF/40AT)を使用しても問題ないのかという疑問があります。この点については、一般的に、受電盤と分電盤で同じ容量を選定しても問題ありません。

ただし、分電盤内での負荷分けや配線の長さ、電圧降下なども考慮しながら、ブレーカ容量を最適に選定することが重要です。例えば、分電盤の各回路に接続する機器の特性を把握し、それに応じた容量を選ぶことが求められます。

ブレーカ容量選定の実際の例

実際の例として、ある工場の受電盤から分電盤に配線を行う場合を考えましょう。この工場では、受電盤からの負荷容量が3000VAであり、電圧が100Vです。この場合、まず受電盤で30Aの電流が流れ、その1.25倍として37.5Aの容量を選定します。

その後、分電盤での配線を考慮し、負荷が増えた場合でも安全に対応できるように50AF/40ATのブレーカを選定します。さらに、上位側の遮断機については、工場全体の負荷容量を基に適切な容量が選ばれ、複数の回路を保護する形になります。

まとめ

ブレーカ容量の選定は、電気設備における安全性を確保するために非常に重要な作業です。負荷容量を計算し、安全率を掛けることで適切なブレーカを選定することができ、さらに上位側遮断機の容量計算や受電盤と分電盤の関係についても理解することが大切です。

このように、適切なブレーカ容量を選ぶことで、設備の安全性を確保し、トラブルを防ぐことができます。初めてブレーカ容量の計算を行う方でも、具体例を参考にしながらしっかりと計算を行い、必要な容量を選定しましょう。

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