『速読古文常識』の文法解説:品詞分解と現代語訳の詳細

文学、古典

「速読古文常識」に登場する「位も譲りきこえさせ侍りぬれば、東宮には若宮をなんものすべう侍る。」という文を品詞分解し、その文法を解説します。また、現代語訳も一緒に確認し、理解を深めるためのポイントも説明します。

1. 文章の品詞分解と文法の説明

この文を品詞分解すると以下のようになります。

  • 「位(名詞)」- 「位」は「地位」や「位階」を意味する名詞です。
  • 「も(助詞)」- 「も」は並列や強調の意味を表す助詞です。
  • 「譲り(動詞)」- 「譲る」の連用形。「譲る」は「他者に譲る、与える」という意味の動詞です。
  • 「きこえさせ(動詞)」- 「きこえさせる」の連用形。「きこえさせる」は「伝える、申し上げる」の意味です。
  • 「侍り(動詞)」- 「侍る」の連用形。「侍る」は「あります、いらっしゃる」の意味の謙譲語です。
  • 「ぬれ(助動詞)」- 「ぬ」の連用形。「ぬ」は動作の完了を表す助動詞です。
  • 「ば(接続助詞)」- 「ば」は条件を表す接続助詞です。
  • 「東宮(名詞)」- 「東宮」は皇太子を指す名詞です。
  • 「には(助詞)」- 「に」は格助詞、「は」は対比や強調を表す助詞です。
  • 「若宮(名詞)」- 「若宮」は皇太子の弟、もしくは皇子のことを指します。
  • 「を(助詞)」- 「を」は目的語を示す格助詞です。
  • 「なん(疑問詞)」- 「なん」は「何」と同義の疑問詞で、ここでは「何を」という意味です。
  • 「もの(名詞)」- 「もの」は物事を指す名詞で、ここでは「こと、方法」を意味します。
  • 「すべう(動詞)」- 「すべき」の意で、「すべう」は動詞「する」の連用形に接尾辞が付いています。
  • 「侍る(動詞)」- 「侍る」は「ございます」の謙譲語です。

2. 現代語訳とその解釈

この文を現代語に訳すと、次のようになります。

(私が帝の)位を譲り申し上げましたからには、皇太子には若宮を立てるのがよいのです。

ここで「位も譲りきこえさせ侍りぬれば」という部分は、話者が帝の位を譲ったことを示しており、その結果として「東宮には若宮をなんものすべう侍る」つまり、皇太子には若宮(弟の皇子)を立てるべきだという意図が表れています。

3. 文法的なポイント

この文には、謙譲語や完了形、条件表現が含まれており、古文ならではの複雑な構造があります。特に「侍り」や「きこえさせ」など、丁寧さや謙譲を表す動詞の使い方が特徴です。また、「ぬれ(ぬ)」の助動詞が完了を示し、文の終わりに「侍る」が再度使われることで、語調の整えが行われています。

4. まとめ

この文を通して、古文における品詞の使い方や文法構造、また現代語訳の際の注意点を理解することができました。古文は現代語と比べて文法や表現が異なるため、特に動詞や助動詞の使い方に注意することが重要です。

このような文章を解読することで、古文の理解が深まります。今後も文法的な理解をしっかりと深めていきましょう。

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