小林一茶の俳句「涼風も 曲がりくねつて 来たりけり」の品詞分解と解説

文学、古典

小林一茶の俳句「涼風も 曲がりくねつて 来たりけり」について、文法的な理解を深めるために品詞分解を行い、助動詞「けり」の意味について解説します。また、「来たりけり」の構造が「来/たり/けり」となるのか、「来たり/けり」となるのかも合わせて説明します。

1. 俳句の意味と背景

この俳句は、涼しい風が曲がりくねりながらやって来る様子を描いています。一茶らしい、自然の変化を捉えた表現が特徴です。ここでは「来たりけり」という表現が、時間や空間を超えた自然の動きとして感じさせる力を持っています。

「涼風も 曲がりくねつて 来たりけり」の中での「来たりけり」は、単に風が来るという現象を表すだけではなく、俳句に深い情景を与える重要な表現となっています。

2. 「来たりけり」の品詞分解

「来たりけり」を品詞分解すると、次のようになります。

  • 「来」:動詞「来る」の連用形
  • 「たり」:助動詞「たり」の終止形
  • 「けり」:助動詞「けり」の終止形

この「来たりけり」の部分を分けて考えると、動詞「来る」の連用形「来」に、助動詞「たり」と「けり」が続いています。

3. 助動詞「たり」と「けり」の意味

「たり」は動作や状態を並列的に示す助動詞で、ここでは「来る」と「くねる」などの動作が並行していることを示す役割を果たしています。つまり、風が曲がりくねりながら「来る」様子を表現しているのです。

「けり」は過去の出来事を表す助動詞で、過去に起きた出来事を感嘆を込めて振り返る意味合いを持っています。この場合、風が来ることが感動的に表現され、自然の美しさを強調しています。

4. 「来たりけり」の解釈とその構造

「来たりけり」を「来/たり/けり」と分けることもできますが、自然な解釈としては「来たり/けり」のように読むことが一般的です。「来たりけり」は、動作が続いている様子を表現するため、連用形の「来たり」と過去の出来事を表す「けり」が組み合わさって、風の動きが過去に起きたことを表現しているのです。

そのため、「来たりけり」は、風が曲がりくねりながら過ぎ去った後の感動を表す表現として、時間的な移り変わりを感じさせます。

まとめ

小林一茶の俳句「涼風も 曲がりくねつて 来たりけり」は、風が自然に曲がりくねりながら来る様子を描いたもので、「来たりけり」という表現には、過去の出来事に対する感動が込められています。品詞分解すると「来たりけり」は「来/たり/けり」ではなく「来たり/けり」のように解釈するのが自然です。助動詞「たり」は並列的な動作を表し、「けり」は過去の出来事を感嘆の気持ちで表現する役割を果たします。

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