「大きな犬と小さな犬」や「大きな人と小さな人」の戦いを見たとき、なぜか多くの人が小さな方を応援してしまうことがあります。この現象には、心理学的な背景が存在しています。この記事では、その理由について深掘りし、なぜ私たちが無意識に小さいものを応援するのかを解説します。
人間の共感と不安定さ
小さなものに対して共感を感じる理由の一つは、「弱者を助けたい」という感情から来ていることです。特に、人間は自分よりも弱い立場にあるものに対して自然に同情を覚える傾向があります。これは進化心理学における「共感の進化」説とも関連しています。
また、戦う構図の中で小さなものが不利な立場に立たされている場合、無意識のうちに「応援しなければならない」という気持ちが生まれます。この感情は、社会的な公平感や正義感が強く影響していると考えられます。
サイズに対する直感的な反応
私たちが小さなものを応援する理由には、直感的な反応も関係しています。大きなものは物理的にも力強く、攻撃的に見えることが多いです。そのため、私たちは自然と「勝つのは当然」と考えてしまうことがあります。そのため、大きなものが勝つのは予想できてしまうので、「どうせ勝つだろう」と感じる一方で、勝てないと思われる小さなものには応援したくなるという心理が働きます。
これも「逆転劇」を期待する心理の一環であり、特に予想に反して小さなものが大きなものに勝つ場面に対して、私たちは強い感動を覚えやすいのです。
不公平感と正義感
心理学的には、人は不公平な状況に対して強い反応を示します。もしも戦いが不公平に見える場合、たとえば力で圧倒的に大きなものが小さなものを押しつぶす構図が見えると、私たちはその状況に「不正義」を感じ、無意識的に小さなものを応援し始めることがあります。
この反応は、特に子どもや動物の戦いに顕著に表れます。私たちは、どちらかと言えば弱い立場にあるものが優位に立つべきだと考え、無意識にその方を支援したくなるのです。
メディアや物語における影響
映画や物語の中で、しばしば「小さなヒーロー」が大きな敵に立ち向かう構図が描かれます。このようなストーリーは、私たちに「小さなものでも大きなものに勝てる」という希望を与えてくれます。メディアや文化的な影響も、この心理に大きく寄与しています。
「ジャイアントキリング」や「David vs Goliath」のようなテーマは、私たちの心に深く刻まれており、戦いの場面においても小さな者に対する応援の気持ちを引き出します。
まとめ
大きなものと小さなものの戦いにおいて小さな方を応援してしまう心理には、共感や不公平感、そしてメディアによる影響が絡んでいます。小さいものに対して自然に感じる応援の気持ちは、人間の進化的な本能や社会的な感情が反映された結果です。
この心理的な背景を理解することで、私たちがなぜそうした感情を抱くのか、そしてその感情がどのように私たちの行動に影響を与えるのかが分かります。


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