連立方程式を解く方法として、加減法と代入法の2つがよく使われます。どちらも解法として基本的で重要ですが、それぞれの方法には特徴や使いやすさがあります。本記事では、加減法と代入法の違いを説明し、具体的な解法例を通じて理解を深めていきます。
加減法とは
加減法は、連立方程式において、2つの式を足し合わせたり引き算したりして、1つの変数を消去する方法です。この方法の特徴は、変数を簡単に消去できる点です。特に、係数が同じまたは反対の符号であれば、簡単に消去することができます。
例えば、次のような連立方程式を考えましょう。
2x + 3y = 12
4x – 3y = 6
加減法では、yの係数が+3と-3で反対符号なので、この2つの式を足すとyが消去できます。式を足すと。
(2x + 3y) + (4x – 3y) = 12 + 6
6x = 18
x = 3
このようにして、xの値を求めることができます。その後、x = 3 をどちらかの元の式に代入してyの値を求めます。
代入法とは
代入法は、1つの式を変形して、1つの変数を他の式に代入して解く方法です。この方法では、まず片方の式を変形して、1つの変数を解き、その値をもう一方の式に代入して残りの変数を求めます。
例えば、次の連立方程式を解いてみましょう。
x + y = 7
2x – y = 4
代入法では、最初の式からyを解きます。
y = 7 – x
これを2つ目の式に代入します。
2x – (7 – x) = 4
2x – 7 + x = 4
3x = 11
x = 11/3
次に、x = 11/3を最初の式に代入してyを求めます。
y = 7 – 11/3 = 21/3 – 11/3 = 10/3
したがって、解はx = 11/3, y = 10/3となります。
加減法と代入法の使い分け
加減法と代入法は、どちらも連立方程式を解くための有効な方法ですが、使い分けることでより効率的に解くことができます。一般的には、以下のように使い分けます。
- 加減法は、係数が簡単に一致する場合や、簡単に変数を消去できる場合に便利です。
- 代入法は、片方の式が簡単に1つの変数を解ける場合や、式の変形が容易な場合に有効です。
例えば、加減法は変数の係数が同じまたは反対符号である場合に非常に効果的です。代入法は、片方の式が簡単に変形できる場合、特にxまたはyが簡単に他の変数に表せる場合に適しています。
具体例での比較
具体的に、加減法と代入法をどのように使い分けるかを示します。以下の例でそれぞれの方法を使ってみましょう。
加減法の例。
3x + 4y = 18
2x – 4y = 6
この場合、yの係数が+4と-4で反対符号なので、加減法で簡単にyを消去できます。式を足すと。
(3x + 4y) + (2x – 4y) = 18 + 6
5x = 24
x = 24/5
次に、x = 24/5を元の式に代入してyを求めます。
代入法の例。
x – 2y = 4
3x + y = 5
まず、1つ目の式からxを解きます。
x = 2y + 4
これを2つ目の式に代入します。
3(2y + 4) + y = 5
6y + 12 + y = 5
7y = -7
y = -1
y = -1 を1つ目の式に代入してxを求めます。
まとめ
連立方程式を解くための加減法と代入法は、それぞれ異なるアプローチで解法を進めます。加減法は変数を消去するために、代入法は変数を代入していく方法です。どちらも便利な解法ですが、問題の形や与えられた条件に応じて、適切な方法を選んで使い分けることが重要です。
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