クーリングタワー一体型吸収式冷温水発生器から空冷チラーへの設備更新における省エネ計算は、光熱費の削減やエネルギー効率を見積もる上で重要なステップです。この記事では、これらの計算方法や必要な情報について、具体的に解説します。
クーリングタワー一体型吸収式冷温水発生器と空冷チラーの違い
まず、クーリングタワー一体型吸収式冷温水発生器と空冷チラーの違いについて簡単に説明します。吸収式冷温水発生器は、主にガスをエネルギー源として冷却を行うシステムであり、外部環境温度に影響を受けにくいのが特徴です。一方、空冷チラーは、主に電力を使用して冷却を行い、エアコンなどと同様に冷却効率が外部環境に依存します。
空冷チラーの方が一般的にエネルギー効率が良いとされるため、設備更新によって光熱費を削減することが期待できます。しかし、実際の削減効果は、既存システムとの比較、稼働時間、外気温度などによって異なります。
省エネ計算に必要な情報
省エネ計算に必要な主な情報は以下の通りです。
- 現在の冷温水発生器（クーリングタワー一体型吸収式）の消費エネルギー量
- 新しい空冷チラーの消費エネルギー量
- 運転時間と運転効率
- 冷却能力（冷温水発生器と空冷チラーの冷却能力の比較）
- ガス料金（吸収式冷温水発生器使用時）と電力料金（空冷チラー使用時）の単価
これらの情報を元に、現行のエネルギー消費と新しいシステムのエネルギー消費を比較し、どれだけ光熱費を削減できるかを算出します。
省エネ計算の方法
省エネ計算の基本的な流れは以下の通りです。
- 1. 現行システムの年間エネルギー消費量を算出する（冷温水発生器の消費ガス量や電力消費量）。
- 2. 新しい空冷チラーの年間エネルギー消費量を算出する（空冷チラーの消費電力）。
- 3. 両者の差異を計算し、年間の光熱費削減額を見積もる。
- 4. 削減額を元に、投資回収期間やランニングコストの削減効果を算出する。
例えば、冷温水発生器が年間で100,000kWhの電力を消費していた場合、空冷チラーが90,000kWhであれば、年間10,000kWhの削減が期待できます。削減したエネルギー量に単価を掛けて、年間の光熱費削減額を計算します。
光熱費削減効果の算出例
例えば、冷温水発生器の電力料金が1kWhあたり15円、空冷チラーの電力料金が1kWhあたり20円の場合、年間10,000kWhの削減があれば、削減額は次のように計算されます。
年間削減額 = 10,000kWh × 15円 = 150,000円
この計算を元に、設備更新による光熱費削減効果を具体的に示すことができます。
まとめ
クーリングタワー一体型吸収式冷温水発生器から空冷チラーへの設備更新による省エネ計算は、消費エネルギー量、運転時間、エネルギー単価などの要素を基に行います。光熱費削減額を見積もることで、設備更新の経済的効果を客先に説明しやすくなります。具体的な削減額を算出するためには、これらの情報を正確に把握し、計算式に当てはめていくことが重要です。
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