酢酸水溶液のpHを求めるためには、酢酸の解離定数(K_a)を用いて、酸の強さを計算する必要があります。ここでは、1.0mol/Lの酢酸水溶液のpHを求める過程と、近似式の導入方法について詳しく解説します。
1. 酢酸の解離反応と解離定数
酢酸(CH₃COOH)は水に溶けると一部が解離して水素イオン(H⁺)を放出します。解離反応は次のように表されます。
CH₃COOH ⇌ CH₃COO⁻ + H⁺
この反応の平衡状態での解離定数K_aは、以下の式で表されます。
K_a = [CH₃COO⁻][H⁺] / [CH₃COOH]
2. 酢酸水溶液のpHの求め方
1.0mol/Lの酢酸水溶液のpHを求めるためには、酢酸がどれくらい解離するかを計算する必要があります。まず、解離する酢酸のモル濃度をxとすると、以下のように反応式が成り立ちます。
[CH₃COOH] = 1.0 – x
[CH₃COO⁻] = x
[H⁺] = x
このとき、解離定数K_aを用いてxを求めます。
K_a = (x)(x) / (1.0 – x)
ここで、K_a = 4.75 × 10⁻⁵ です。計算を簡略化するために、xが1.0よりかなり小さいと仮定し、(1.0 – x) ≈ 1.0と近似します。これにより、次の式が得られます。
K_a ≈ x²
x = √(K_a × 1.0) = √(4.75 × 10⁻⁵) ≈ 6.89 × 10⁻³
3. pHの計算と近似式の導入
pHは水素イオンのモル濃度の対数であり、次の式で求められます。
pH = -log[H⁺]
ここで[H⁺] = xなので、pHは次のように計算されます。
pH ≈ -log(6.89 × 10⁻³) ≈ 2.16
したがって、1.0mol/Lの酢酸水溶液のpHは約2.16です。
4. 近似式の妥当性とその背景
この計算では、xが1.0mol/Lに比べて非常に小さいため、(1.0 – x) ≈ 1.0という近似が成立しました。この近似が妥当である理由は、酢酸の解離定数が非常に小さく、解離する酢酸の割合が非常に少ないからです。この近似により、計算が大幅に簡略化され、pHを正確に求めることができました。
5. まとめ
1.0mol/Lの酢酸水溶液のpHは、酢酸の解離定数を用いた計算により、約2.16であることがわかりました。解離定数が小さいため、解離の割合が小さく、近似式が有効であることが確認されました。このように、酸のpHを求める際には、解離定数を基にした計算と近似式を使うことが一般的です。


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