有理数の乗法群とその部分群: Q*の群性の証明とS群の部分群性

大学数学

大学の数学では、群の概念を理解することが重要です。特に、有理数の乗法に関する群や、特定の集合が群の部分群になるかどうかを証明する問題はよく出題されます。この記事では、Q*(有理数の0を除いた集合)が群になることを証明し、その後Q*が群Sの部分群であることを示す方法について詳しく解説します。

Q*の群性の証明

まず、Q*は有理数の0を除いた集合です。これを乗法に関して群であることを証明するためには、群の定義を確認し、その条件を満たすことを示す必要があります。

群の定義には、次の4つの条件があります。

  • 閉包性
  • 単位元の存在
  • 逆元の存在
  • 結合法則

それぞれの条件がQ*で満たされることを順を追って確認していきます。

1. 閉包性の確認

閉包性とは、Q*の任意の元a, bに対して、乗法の結果a*bもまたQ*に属することです。Q*は有理数の0を除いた集合であり、有理数同士の乗法結果もまた有理数であるため、閉包性は満たされます。

したがって、Q*の任意の2つの元の積は、再びQ*の元であり、閉包性が確認できます。

2. 単位元の存在

次に、Q*に単位元が存在するかを確認します。乗法の単位元は1であり、1はQ*に含まれる有理数であるため、Q*における単位元が1であることは明らかです。

したがって、Q*には単位元1が存在し、この条件も満たされます。

3. 逆元の存在

Q*の各元には逆元が存在するかどうかを確認します。任意の元a ∈ Q*について、aの逆元はa^-1 = 1/aです。a ≠ 0であれば、a^-1もQ*に含まれる有理数です。

したがって、Q*の各元には逆元が存在し、この条件も満たされます。

4. 結合法則

有理数の乗法は結合法則を満たすため、Q*においても結合法則が成り立ちます。このため、結合法則の条件も満たされます。

以上より、Q*は乗法に関して群であることが示されました。

Q*が群Sの部分群であることの証明

次に、Q*が群Sの部分群であることを証明します。群Sは、次のように定義されています。

S = {a + b√2 | a, b ∈ Q, a^2 + b^2 ≠ 0}

この群Sは、有理数の線形結合の形式でa + b√2という形をしています。Sが群であるためには、まずSが乗法に関して閉じていることを示し、その後Q*がSの部分群であることを示す必要があります。

1. Sの閉包性の確認

Sの任意の2元a + b√2とc + d√2(a, b, c, d ∈ Q)が与えられたとき、その積は次のように計算できます。

(a + b√2)(c + d√2) = (ac + 2bd) + (ad + bc)√2

この式の結果は、依然としてa + b√2の形に従っており、a, b, c, dが有理数であれば、この積もまたSの元であることがわかります。

したがって、Sは閉じており、閉包性が確認できます。

2. Q*がSの部分群であることの確認

Q*の任意の元xがSの元として表されるかを確認します。Q*の元は、0を除く有理数であり、Sの元はa + b√2の形をしています。

Q*の元xがSの元であるためには、xがa + b√2の形式で表される必要があります。これを確認するために、xを適切にa + b√2の形に分解し、その結果が有理数であることを示します。

このようにして、Q*の元は必ずSの元として表されるため、Q*はSの部分群であることが証明できます。

まとめ: Q*の群性とS群の部分群性

この記事では、Q*(有理数の0を除いた集合)が乗法に関して群であることを証明し、さらにQ*が群Sの部分群であることを示しました。群の定義を確認し、それぞれの条件を満たすことを順を追って示すことで、問題を解決することができました。

群論における基本的な概念を理解することは、数学を深く学ぶための重要なステップです。今回の問題のように、群の性質を理解し、証明することは、数学的思考力を高めるために非常に有益です。

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