英語の関係代名詞を使った文で、〈The flower that I saw in the park was blue.〉と〈I saw the flower that was blue in the park.〉という2つの文を見て、「どちらも文法的に正しいのか」「どちらがより自然なのか」と悩む中学3年生も多いでしょう。本記事ではこのような構造を丁寧に整理しつつ、使い分けのポイントを具体例とともに解説していきます。
関係代名詞「that+…」による説明節の働き
まず、関係代名詞とは、名詞(先行詞)を説明する節(関係節)を導く語で、たとえば “that I saw in the park” のように「私が公園で見た」という情報で “the flower” を限定しています。 [参照]
例えば、「The student who studies hard will succeed.」という文では “who studies hard” が「一生懸命勉強する」という特徴を持つ学生を特定しており、これは“restrictive/限定的”な関係節です。 [参照]
文1:〈The flower that I saw in the park was blue.〉の構造と意味
この文は主語 “The flower that I saw in the park” を持っています。先行詞 “the flower” に続く “that I saw in the park” が「私が公園で見たその花」を特定しており、その花が “was blue” であった、という意味になります。
つまり、まず「私が公園で見た花」が存在し、その花が「青かった」という情報を与えています。このように先に「どの花か」を関係節で特定してから主文で性質を述べる形は、英語でも自然でよく使われます。
文2:〈I saw the flower that was blue in the park.〉の構造と意味
こちらは主語 “I” に対して「私は〜を見た」という文型で、“the flower that was blue in the park” が目的語として使われています。“that was blue in the park” は「公園で青かった花」という意味で、“the flower” を限定する関係節です。
この文も文法的には問題ありませんが、意味の焦点が少し異なります。すなわち「私は公園で青かった花を見た」という順序・強調になっており、文1に比べて「青かった」という性質が先に来ている印象です。
どちらが一般的か?使い分けのポイント
両文とも英文法的には正しく、ネイティブスピーカーにも自然に通じます。ただし使い分けの観点から見ると、以下のような傾向があります。
- 文1のように「どの花か」を先に限定し、その後で性質を述べる構成は、説明や記述で頻繁に使われます。
- 文2のように「私は〜を見た」という主語/動詞構造を主に考えて、補足として花の性質を述べる構成も可能ですが、少し「青かった」という特徴が目立ちすぎている印象を与えることがあります。
ですので、特に中学英語の段階では文1のような順序が無難で、読みやすく使いやすいと言えるでしょう。
具体例で比べてみよう
例 A(文1型):
“The book that he bought yesterday is interesting.”
=「彼が昨日買った本は面白い」
例 B(文2型):
“I saw the book that was interesting on the shelf.”
=「私は本棚で面白い本を見た」
例 A の構成は「どの本か」を先に特定し、「面白い」という性質を後から述べています。例 B は「私は見た」という行為から入り、「面白い」という性質が補足的に述べられています。
中学3年生として押さえておきたいコツ
・関係節を使うときは、先行詞を特定(限定)するか、名詞に追加情報を加えるかを意識しましょう。
・「先行詞+関係節+動詞(述語)」になる構造(文1型)は読みやすく、説明的な文章に向いています。
・「主語+動詞+先行詞+関係節」という構造(文2型)も使えるが、性質/特徴が先行詞に強く結びついているときに効果的です。
まとめ
・〈The flower that I saw in the park was blue.〉と〈I saw the flower that was blue in the park.〉はどちらも文法的に正しいです。
・ただし、中学英語の段階では前者(文1型)の方が構造として安定しており、一般的に使いやすいと言えます。
・文の焦点を「どのものか」「どんな特徴か」「私は…した」という観点で整理すると、自分にとって自然な英語表現が選びやすくなります。ぜひ、日頃の問題演習や英作文で両構造を意識して練習してみてください。


コメント