衝突事故における運動量と速度の計算方法:ドライブレコーダーのG値を利用した分析

物理学

自動車の衝突事故では、運動量や衝突時の速度を計算することが非常に重要です。特に、ドライブレコーダーのG値(重力加速度)を使用して事故時の衝突速度を求める方法は、事故の解析や証拠として有用です。今回は、甲車が乙車に追突した事故を例に、ドライブレコーダーのG値を基に衝突前の速度を計算する方法について解説します。

運動量の計算と衝突前の速度

事故において運動量は重要な指標であり、衝突前の速度を求める際に利用されます。運動量は以下の式で計算できます。

運動量 = 標準重力加速度 × G値 × 質量

ここで、標準重力加速度は9.80665 m/s²、G値はドライブレコーダーから得られる数値、質量は車両の重さです。例えば、甲車の質量が1,400kg、G値が1.5の場合、運動量は以下のように計算されます。

運動量 = 9.8 × 1.5 × 1,400 = 20,580

衝突直前の速度の計算

衝突前の速度を求めるためには、運動量を車両の質量で割ることで求めることができます。上記の運動量20,580を甲車の質量1,400kgで割ると、衝突前の速度は。

速度 = 20,580 ÷ 1,400 = 14.7 m/s

これを時速に変換するためには、速度に3.6を掛けます。

時速 = 14.7 × 3.6 = 52.95 km/h

この計算結果により、1回目の衝突時の甲車の速度は約53 km/hと見なすことができます。

2回目の衝突の速度計算

次に、乙車が1回目の衝突後、甲車に再度追突した場合の速度を計算します。乙車のドライブレコーダーから得られるG値は0.5と仮定します。この場合、運動量は。

運動量 = 9.8 × 0.5 × 1,400 = 6,860

次に、衝突前の速度を求めるために、運動量を甲車の質量で割ります。

速度 = 6,860 ÷ 1,400 = 4.9 m/s

これを時速に換算すると。

時速 = 4.9 × 3.6 = 17.64 km/h

この結果により、2回目の衝突時の甲車の速度は約18 km/hと見なすことができます。

衝突速度の計算結果とその妥当性

計算により、甲車の衝突前の速度が約53 km/h(14.7 m/s)および約18 km/h(4.9 m/s)であったことが示されました。
これらの結果は、ドライブレコーダーのG値を基にした衝突速度の推定値として妥当であり、事故解析に役立つ指標となります。また、これらの計算は、衝突後の影響や事故の原因分析にも貢献します。

まとめ

自動車事故の衝突速度を計算する際、ドライブレコーダーのG値を利用することで、運動量や衝突前の速度を求めることができます。
今回の計算例では、甲車の衝突前の速度をおおよそ53 km/hと18 km/hとして求めました。これにより、事故の詳細な解析が可能となり、事故の原因をより明確に理解するための手がかりを提供します。

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