IGBTとMOSFETにおけるターンオフ時のサージ電圧の違い

工学

IGBTやMOSFETのターンオフ時に発生するサージ電圧について、特に配線インダクタンスが関係しているという理解が広まっていますが、それぞれのデバイスの特性がサージ電圧の発生にどのように影響するのかは重要なポイントです。この記事では、IGBTとMOSFETのターンオフ時におけるサージ電圧の違いについて詳しく解説します。

IGBTのターンオフ時のサージ電圧

IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)は、ターンオフ時に急激に電流が0Aになるため、配線インダクタンスとの相互作用でサージ電圧が発生することがあります。インダクタンスが存在するため、L×di/dt(インダクタンス×電流の変化率)によって急激な電流の変化がサージ電圧を引き起こします。

IGBTは高電力のスイッチングに適しており、特に大電流の制御に使用されるため、そのターンオフ時の電流変化が大きく、結果として高いサージ電圧が発生することがあります。これにより、システムや回路に不具合が生じることもあります。

MOSFETのターンオフ時とCossの影響

MOSFET(メタル酸化物半導体フィールド効果トランジスタ)の場合、ターンオフ時に急激に電流が0Aになるわけではありません。MOSFETには出力容量(Coss)があり、この容量が電流の急激な変化を和らげます。具体的には、Cossが電荷を蓄積することで、ターンオフ時に電流が急激にゼロに近づくことを防ぎ、電流変化が緩やかになります。

そのため、MOSFETではIGBTのように大きなサージ電圧が発生することは少なく、Cossがその役割を果たして、電流の変化を穏やかにします。これがMOSFETがIGBTに比べて、ターンオフ時のサージ電圧が低い理由です。

サージ電圧の影響と回避方法

ターンオフ時のサージ電圧は、回路設計において重要な問題となり得ます。特にIGBTの場合、サージ電圧が過剰になると、デバイスや回路の損傷を引き起こす可能性があります。サージ電圧を抑えるためには、適切な回路設計が必要です。たとえば、適切なダイオードを使用したり、スナバ回路(エネルギー吸収回路)を設置することが一般的な方法です。

一方、MOSFETではCossによってサージ電圧が抑制されますが、Cossが小さい場合や高いスイッチング周波数での使用では、依然として問題が生じることがあります。これを回避するために、MOSFETの選定や、回路設計の最適化が求められます。

まとめ

IGBTとMOSFETは、ターンオフ時におけるサージ電圧の発生メカニズムが異なります。IGBTは配線インダクタンスとの相互作用で急激な電流変化が発生し、高いサージ電圧が生じる可能性があります。一方、MOSFETはCossがその役割を果たし、電流の急激な変化を緩和するため、サージ電圧の発生が少なくなります。ターンオフ時のサージ電圧を管理するためには、デバイス選定と回路設計が重要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました