制御盤内でインバーターやサーボドライブなどの機器が発する高周波ノイズにより、シーケンサー(PLC)やモーター、電磁弁などの電子部品が誤動作することがあります。このような誤動作を防ぐために設置されるのがノイズフィルター(NF)です。この記事では、ノイズの発生原因とNFの役割、制御盤での効果について詳しく解説します。
ノイズが誤動作の原因になる仕組み
インバーターやサーボアンプは高速スイッチングで電力を制御するため、高調波や高周波ノイズを発生します。このノイズは電源線や信号線に乗って他の装置に伝わり、PLCの入力信号や制御信号に重畳されると誤動作やトリップの原因になります。これがNFを使用する背景です。
たとえば、PWM(パルス幅変調)制御のインバーターでは高速で切り替えるため、ノイズ成分が幅広い周波数帯に重畳されます。この影響で微弱な信号が乱れると、PLCやセンサーの誤検知につながることがあります。
ノイズフィルター(NF)の基本的な役割
ノイズフィルターは電源ラインや信号ラインに挿入され、高周波ノイズを除去または低減するための部品です。一般的にコンデンサやインダクタ(チョークコイル)を組み合わせて、高周波成分を減衰させ、交流の基本周波数(50/60Hz)は通す構成になっています。
電源ライン用NFは、スイッチング機器が発生する一般的な伝導ノイズを抑え、他の機器への伝播を防ぐために使用されます。電源線用のNFは高調波やコモンモード・ノーマルモードノイズを減衰させ、制御盤全体のEMC(電磁両立性)を改善します。
NFの具体的な効果と設置例
NFを設置する場所としては、インバーターやサーボアンプなどのノイズ源に近い位置の電源入力部や出力部が一般的です。これにより、ノイズが電源ラインや信号ラインに乗る前に減衰させることができます。[参照]
実際にノイズフィルタを追加すると、PLCの誤入力や誤動作が改善されるケースが多く、現場作業でのトラブル低減に寄与します。NFには単相用や三相用などさまざまなタイプがあり、負荷電流や周波数帯域に応じて選定する必要があります。
対策としてのフィルター以外の工夫
ノイズ対策はNFだけではなく、配線のシールド、信号線と電源線の分離、アース処理なども重要です。ノイズが信号線に誘導されることを防ぐため、適切な配線経路を設計することが効果的です。
また、NFは万能ではなく、飽和する場合やケーブル長が長い場合には効果が低減することもあります。そのため、トータルなノイズ対策が必要です。
まとめ
制御盤内でインバーターやサーボアンプなどの機器が発する高周波ノイズは、PLCや外部機器の誤動作の原因になります。ノイズフィルター(NF)はこれらのノイズを電源ラインから除去・低減し、誤動作を防ぐ役割を果たします。ただし、適切な選定と配線設計と組み合わせることが重要です。


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