『源氏物語』の「若紫」に登場する「やうやうなりつるものを」「まもらるるなりけり」という表現に登場する「なり」の使い分けについて疑問を持つ方が多いかもしれません。この記事では、この二つの「なり」の違いを詳しく解説し、その判断方法について説明します。
1. 「なり」の基本的な意味と用法
まず、「なり」という助動詞の基本的な使い方について理解しましょう。「なり」には主に二つの意味があります。ひとつは「存在」を意味する「なり」、もうひとつは「断定」の意味を持つ「なり」です。
「なり」は、通常は「〜である」という意味で使われますが、文脈や前後関係によって異なる解釈がなされます。では、具体的に『源氏物語』の中でどのように使われているのでしょうか。
2. 「やうやうなりつるものを」の「なり」
「やうやうなりつるものを」の「なり」は、物の状態や変化を表す意味で使われています。この「なり」は、出来事や状態の存在を示すもので、「だんだんと〜になっていった」という変化を意味します。
ここでは、若紫の成長や変化を表現しており、物事が「だんだんと形成されてきた」というニュアンスを含んでいます。このように、変化の過程を表現する場合には「なり」が使われます。
3. 「まもらるるなりけり」の「なり」
次に「まもらるるなりけり」の「なり」ですが、こちらの「なり」は「断定」を示す助動詞として使われています。「まもらるる」は「守られる」の意味であり、ここでは何かの存在や状態が確定したことを表しています。
この「なり」は、単に物事が存在していることを示すだけでなく、その存在が確定的であることを強調しています。ここでは、状況が変化した後に「守られる」という状態が確立したことが述べられています。
4. 使い分けの判断方法
この二つの「なり」の使い分けのポイントは、文脈が「変化」や「存在・断定」を示しているかどうかです。「やうやうなりつるものを」の場合は変化の過程を表し、「まもらるるなりけり」の場合はその状態の確定を示します。
したがって、「なり」の意味を理解するためには、文章全体の意味や前後の文脈をしっかりと把握することが重要です。
5. まとめ
「源氏物語」における「なり」の使い分けについて、変化の過程を示す場合には「やうやうなりつるものを」、確定した状態や存在を表す場合には「まもらるるなりけり」が使われることがわかりました。これらの違いを理解することで、古典文学の解釈が深まり、より深い理解が得られるでしょう。


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