中国や韓国の政治家は、国内の政策失敗や問題から国民の目をそらすために「反日」を利用しているのか――。この疑問は日本国内でもたびたび議論になります。本記事では、感情論ではなく政治学の視点から、ナショナリズムと外交問題の関係を整理します。
「外敵利用」という政治手法は存在するのか
政治学では、国内問題から国民の注意をそらすために対外的な緊張を高める現象を「ダイバージョナリー理論(diversionary theory)」と呼びます。
これは特定の国に限らず、世界中の政治で見られる可能性がある現象です。
歴史的に見ると、経済不安や支持率低下の局面で外交問題が強調されるケースは各国で確認されています。
中国の場合の特徴
中国は一党体制であり、政府が世論形成に強い影響力を持っています。
日中関係では、歴史問題や領土問題(尖閣諸島など)が政治的に扱われることがあります。
ただし、常に国内問題の隠蔽目的だけで反日姿勢が強まると断定するのは単純化しすぎです。
中国国内には経済成長や社会安定といった優先課題もあり、日本との経済関係も重視されています。
韓国の場合の特徴
韓国は民主主義国家であり、選挙政治の影響が大きい国です。
歴史認識や徴用工問題などは国内世論と強く結びついています。
選挙前に対日姿勢が注目されることはありますが、政権ごとに対日政策の温度差があるのも事実です。
反日感情と世論の関係
政治家が一方的に世論を作っているというより、歴史教育や社会背景の影響も大きいです。
例えば歴史問題は学校教育やメディアを通じて長期的に形成されます。
そのため、外交摩擦が起きたときに感情が高まりやすい土壌があるとも言えます。
単純化しない視点が重要
「国内問題をごまかすために反日に走る」という見方は一部のケースでは当てはまる可能性があります。
しかし、外交問題は安全保障・歴史認識・経済利害など複数の要因が絡みます。
一つの動機だけで説明できるほど単純ではありません。
まとめ
中国や韓国に限らず、政治において対外問題が国内政治と結びつくことはあります。
ただし、それを常に「国内問題隠し」と断定するのは慎重であるべきです。
ナショナリズム、歴史認識、世論、選挙、体制の違いなど多角的に見ることで、より冷静な理解が可能になります。


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