「ラプラスの悪魔」と聞くと、神話や宗教に出てくる存在のように感じるかもしれません。しかし実際には、物理学と哲学の議論の中で登場した思考実験上の存在です。本記事では、ラプラスの悪魔が何を意味するのか、どのような考え方を象徴しているのかをわかりやすく解説します。
ラプラスの悪魔とは
ラプラスの悪魔は、18〜19世紀の数学者・天文学者ピエール=シモン・ラプラスが提唱した思考実験です。
宇宙のすべての粒子の位置と運動を完全に知る存在を仮定しました。
その存在は、物理法則を用いて未来も過去も完全に計算できるとされます。
なぜ「悪魔」と呼ばれるのか
ここでいう「悪魔」は宗教的な悪霊ではありません。
人間を超えた全知的な知性を象徴する比喩です。
超越的な計算能力を持つ存在という意味で使われています。
決定論との関係
ラプラスの悪魔は「決定論」を象徴します。
決定論とは、現在の状態が完全に分かれば未来は一意に決まるという考え方です。
すべては因果関係によって決まっているという立場を強く表しています。
現代科学との違い
20世紀に量子力学が登場し、不確定性原理が提唱されました。
これにより、粒子の位置と運動量を同時に正確に知ることはできないとされます。
そのため、ラプラスの悪魔のような存在は理論的に成立しないと考えられています。
具体例で考える
例えばサイコロを振るとき、ラプラスの悪魔がいれば、力の加わり方や空気抵抗などすべてを把握し、出る目を事前に計算できます。
人間には無理でも、理論上は可能だという発想です。
まとめ
ラプラスの悪魔は、未来を完全に予測できる全知的存在を仮定した思考実験です。
宗教的な悪魔ではなく、決定論を象徴する哲学的・科学的概念です。
現代の量子力学の登場により、その前提は否定されていますが、科学哲学において重要な議論の出発点となっています。


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