レーザー式ガス検知器の仕様書に「ppm・m」という単位が記載され、「メタン濃度×厚み」と説明されていることがあります。この単位は一般的な“密度”とは少し意味が異なり、光路上に存在するガスの総量に関係する指標です。本記事では、コラム密度の考え方を物理的に整理します。
ppm・mとは何を表す単位か
ppmは体積比濃度(百万分率)を表す単位です。
これに距離(m)を掛けた「ppm・m」は、濃度 × 光が通過した距離を意味します。
つまり、ある空間をレーザーが通過したとき、その経路上に存在するガスの“積算量”を示しています。
なぜ「密度」ではなく「量」に近いのか
通常の密度は「単位体積あたりの質量」などを指します。
しかしコラム密度は、単位面積あたりに積み重なった物質量を意味します。
数式で書けば、ガス濃度C(x)を距離方向に積分した値です。
コラム密度 = ∫ C(x) dx
具体例で考える
例えば、100ppmのメタンが10mの経路に均一に存在する場合。
100ppm × 10m = 1000ppm・m
一方、1000ppmのガスが1m存在しても同じ1000ppm・mになります。
濃度が低くても距離が長ければ同じ値になるのが特徴です。
なぜレーザー式で使われるのか
レーザー吸収法では、光の減衰量は通過経路中のガス分子数に比例します。
これはビール・ランバートの法則に基づきます。
吸収量は濃度と距離の積に比例するため、測定単位としてppm・mが使われます。
「総量」という理解は正しいか?
質問の通り、感覚的には「密度」というより経路上の総量(積算量)と考える方が直感的です。
ただし、厳密には「単位断面積あたりの積算濃度」であり、体積全体の総質量とは異なります。
つまり、“線積分された濃度”という理解が最も正確です。
整理するとどうなるか
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| ppm | 体積比濃度 |
| m | 光路長 |
| ppm・m | 経路上の積算濃度(コラム密度) |
まとめ
ガス検知器で用いられる「ppm・m」は、濃度と距離の積であり、光路上に存在するガスの積算量を示します。
通常の「密度」とは異なり、体積あたりではなく“経路方向に積み上げた量”を表します。
したがって、「総量に近いが、厳密には線積分値」という理解が最も適切です。


コメント