「自分を許す」「自分を受け入れる」という言葉は、悩み相談や心理学の文脈でよく使われます。しかしそれを聞くと、「悪事をしても平然としている人は、自分を受け入れているから平気なのだろうか?」と疑問に思うこともあるでしょう。本記事では、自己受容の本来の意味と、犯罪や罪悪感との関係を心理学的に整理します。
自己受容と自己正当化は違う
まず重要なのは、自己受容(self-acceptance)と自己正当化(self-justification)は別物だということです。
自己受容とは「自分の弱さや未熟さも含めて認めること」であり、行為の善悪を否定することではありません。一方、自己正当化は「自分は悪くない」と都合よく解釈する心理です。
悪事を続けられる人の心理
悪事をやめない人が必ずしも「自分を受け入れている」わけではありません。
- 罪悪感を感じにくい特性
- 責任を他人に転嫁する思考
- 認知のゆがみ(自分は特別だと思うなど)
これらによって内的葛藤が弱くなっている可能性があります。これは自己受容というより、防衛的な心理メカニズムです。
世間に受け入れられているように見える理由
社会で問題が表面化しない場合、「許されている」ように見えることがあります。
しかしそれは「世間が受容している」わけではなく、単に知られていない・立証されていないだけという場合も多いです。
自己受容と責任の関係
本来の自己受容には、自分の行為に責任を持つ姿勢が含まれます。
「自分は未熟だった」「間違えた」と認めることができる人ほど、他者への加害を正当化しません。
被害者と自己受容の誤解
「自分を受け入れられない人は助けてもらえないのでは」という不安も理解できます。
しかし自己受容は「被害を受け入れろ」という意味ではありません。被害は加害者の責任であり、自己受容とは別の問題です。
まとめ
悪事を平然と行う人が自己受容できているとは限りません。それはしばしば自己正当化や防衛機制の結果です。
本来の自己受容とは、自分の弱さを認めつつ責任を引き受ける姿勢のことです。犯罪や加害を肯定することとは根本的に異なります。


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