『住吉物語』の「初瀬の霊夢」に登場する「いかばかりか思ひ嘆くと知り給へる」という一節は、古典文法の理解が問われる重要箇所です。一見すると疑問や反語のようにも見えますが、実際には表現技法としての強調用法が使われています。本記事では、文法構造と反語との違いを分かりやすく解説します。
「いかばかりか」の基本的な意味
「いかばかりか」は副詞で、「どれほど」「どんなに」という程度を強める意味を持ちます。
反語になる場合は、下に「〜む」「〜べき」「〜じ」などの推量・打消の助動詞が呼応することが多いです。
該当箇所の文法構造
「いかばかりか思ひ嘆くと知り給へる」
ここでは「いかばかりか」は「思ひ嘆く」を修飾し、「どれほど思い嘆いているか」と程度を強調しています。
後半の「知り給へる」は尊敬語を含む叙述であり、反語の終止形にはなっていません。
反語との違い
| 反語表現の例 | 今回の文 |
|---|---|
| いかで〜む(どうして〜だろうか、いや〜ない) | 推量・打消の助動詞なし |
| いかばかりか〜む | 単なる程度強調 |
反語には否定的な含意が生まれますが、この文には否定の意味はありません。
現代語訳のイメージ
「どれほど思い嘆いていることかと、お分かりになっている」という意味になります。
つまり、相手の深い悲しみを強調する表現です。
テストで狙われるポイント
- 「いかばかりか」は反語とは限らない
- 助動詞との呼応関係を確認する
- 尊敬語「給ふ」の識別
設問では「表現技法」や「心情強調」が問われやすい部分です。
まとめ
「いかばかりか思ひ嘆くと知り給へる」は反語ではなく、悲嘆の程度を強める表現です。
反語かどうかを判断する際は、助動詞との呼応関係を必ず確認しましょう。文法構造を押さえれば確実に得点できるポイントです。


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