クロック逓倍回路は、特定の周波数で動作するデジタルシステムにおいて非常に重要な役割を果たします。特に、源クロックが2~10MHzの範囲であれば、その3倍で動作する回路設計を行うことが求められます。この記事では、CMOS IC(74HC、74AC系)を使って、クロックを3倍にするための回路設計方法について詳しく解説します。
クロック逓倍回路とは?
クロック逓倍回路は、元となるクロック信号の周波数を指定した倍数にするための回路です。これにより、低い周波数のクロック信号を高い周波数に変換して、高速なデジタル回路での動作を可能にします。例えば、元のクロックが2MHzであれば、それを3倍にして6MHzのクロック信号に変換することができます。
このような回路は、デジタルシステムのクロック同期において非常に便利であり、様々な場面で使用されます。
使用するICと回路の選定
質問者が指定した通り、CMOS IC(74HC、74AC系)を使用した回路設計が求められています。これらのICは、非常に高い耐障害性と低い消費電力を特徴としており、クロック信号を扱う上で非常に適しています。
例えば、74HC74(D型フリップフロップ)などを用いた分周回路や、74HC4040(16段カウンタ)などを利用して、高速で安定したクロック信号を生成することができます。
PLL(位相同期回路)の使用
クロック逓倍回路を構築するために、PLL(位相同期回路)を利用する方法もあります。特に、74HC4046などのPLL ICを使用することで、入力クロック信号を安定して倍化することが可能です。
PLL ICは、入力信号と出力信号を同期させる機能を持ち、正確な周波数変換を実現します。これにより、揺らぎや誤差を最小限に抑えつつ、必要な周波数を得ることができます。
デューティ比と揺らぎについて
質問者はデューティ比が50ns程度のパルス出力であれば問題ないとしていますが、揺らぎ(1周期の誤差)は0.1%以内に抑えたいと考えています。この要件を満たすためには、PLL回路を使用することで、出力信号の安定性を確保できます。
また、デューティ比の狂いが最小限であれば、分周回路を使って(2のn乗分周)クロック信号を安定させることができます。これにより、精度の高いクロック信号を得ることができます。
実際の回路設計の例
実際にクロックを3倍にする回路を設計するためには、次のような手順で進めることができます。
- 1. 入力クロック(2~10MHz)を用意し、適切なPLL回路に入力します。
- 2. その出力信号を分周回路(例えば、74HC4040などのカウンタIC)に通して、必要な出力周波数(2~15MHz)を得ます。
- 3. デューティ比や揺らぎの条件を満たすよう、適切な回路設計を行います。
これらの手順を守ることで、安定した3倍逓倍クロックを得ることができます。
まとめ
クロック逓倍回路を設計する際には、IC選定やPLL回路の使用、デューティ比や揺らぎの管理が非常に重要です。特に、指定された周波数範囲と誤差の範囲を満たすためには、各種ICを組み合わせて安定した信号を得る必要があります。このような回路設計は、デジタルICを用いた高精度なクロック信号の生成において重要な技術となります。


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