電気主任技術者試験で第5高調波がよく問われる理由とは?他の高調波との違いも解説

工学

電気主任技術者試験や電力系統の学習で「高調波」が登場することがありますが、中でも第5高調波(5次高調波)がよく出題される一方、第2次・第3次・第4次・第6次といった高調波があまり問題に取り上げられないのには理由があります。本記事では高調波の基本、発生メカニズム、そして試験でよく問われる理由をわかりやすく解説します。

高調波とは何か?基本の考え方

高調波は交流波形が理想的な正弦波ではなく歪んだときに現れる、基本周波数の整数倍の成分です。例えば50 Hzの基本波に対して100 Hz(2次)、150 Hz(3次)、250 Hz(5次)などが高調波として現れます。この考え方はフーリエ解析に基づいています。([参照]高調波(電力系統))

実際の電力系統や負荷には整流器やインバータなどの電力電子機器が多く、これらが非線形負荷となることで高調波が発生します。

どの高調波が大きく現れるのか?

高調波の発生源や負荷の特性によって波形歪みが起きますが、一般的に実際の系統で大きな成分として観測されるのは奇数次高調波であり、特に第5次や第7次が主要な高調波として現れることが多いとされています。([参照]高調波特性と発生傾向)

これは系統や機器の対称性に起因し、偶数次(2次、4次、6次など)は理想的な電力系統の波形・負荷対称性によりキャンセルされやすく、3n次(3次、6次、9次など)は三相系統でΔ結線などの影響により還流・抑制されやすいという特徴があるためです。([参照]高調波出題に関するQ&A)

第5高調波が試験でよく出題される理由

電験(電気主任技術者試験)は実務的な知識を問う傾向が強く、建設や設備保全、系統設計において実際に影響が大きいものを取り扱うことが多いです。実際の電力系統で高調波成分を評価すると、例えば負荷歪みによって第5高調波が比較的大きく、機器に影響を与えるケースが多いため、理解・対策の意味で第5高調波が取り上げられる機会が多いと考えられます。

専門的文献でも第5次・第7次といった奇数次高調波が主要であり、特に第5次高調波が電圧や電流の歪みで注目される例が示されています。([参照]高調波の影響と対策)

他の高調波が出題されにくい背景

一部の高調波については、理論的には存在するものの実際の系統や三相負荷・対称系統構成により影響が小さくなる、あるいは還流して観測しにくくなる場合があります。

たとえば第3高調波は三相系統で中性線に集まりやすい性質を持ち、系統全体の電圧歪みとして出ることが少ないとされます。また偶数次高調波は対称性により理想的にはキャンセルされるという特性があるため、現実的な系統での影響が小さいとみなされることが多いのです。([参照]高調波の次数特性)

まとめ:電気主任技術者試験と高調波の出題

高調波とは基本周波数の整数倍の成分で、系統の波形歪みによって出現します。しかし実際の系統・負荷特性や三相の対称性により、偶数次や3n次の高調波は観測されにくい・影響が小さいことがあり、そのため実務的な問題としては第5高調波が重要視されます。

したがって試験でも、第5高調波を中心にその影響や対策が取り上げられやすいのです。高調波の種類や特徴を理解することで、さらに幅広い電力品質の問題にも対応できるようになります。

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