法隆寺五重塔の心柱から着想を得た建物・構造技術の世界的事例まとめ

建築

法隆寺五重塔に見られる心柱(しんばしら)構造は、古来より地震に強い建築として評価され、現代の建築技術にも影響を与えています。この記事では、法隆寺五重塔の心柱構造を起源とし、現代建築で応用・発展された事例をわかりやすく紹介します。

歴史的背景:心柱(しんばしら)とは

心柱は、木造多層塔の中心に立つ柱で、法隆寺五重塔をはじめ多くの仏塔で用いられてきました。この構造は揺れを分散・吸収し、地震にも強いとされ、古い塔が長年倒壊せずに残る理由のひとつとされています。([参照]Shinbashira(英語))

この技術に着想を得て、現代では中心柱を利用した制振・免震技術として応用される例が登場しています。

東京スカイツリー:心柱制振システム

東京スカイツリーでは、五重塔の心柱構造からヒントを得た“心柱制振”が採用され、地震時の揺れを低減する仕組みになっています。中心部のコンクリート製の柱(心柱)は塔の外部構造とは直接接続せず、揺れの違いを利用して制振効果を生みます。([参照]東京スカイツリー公式サイト)

この心柱が「外部構造とは独立して揺れる」という特徴は、古い木造仏塔の考え方を現代の耐震技術として再解釈したものです。

サンフランシスコ 680 Folsom Street

米国サンフランシスコの「680 Folsom Street」は、心柱にヒントを得た中央コア構造を持つ建物として知られています。この建物では、巨大なコンクリートコアが建物内部に設置され、揺れに対してピボットしながら抵抗する設計が採用されました。([参照]Shinbashira(英語))

このアプローチは、従来の単純な剛性コアとは異なり、建物の揺れを能動的に吸収・制御する発想として評価されています。

その他の現代建築に見る応用技術

心柱構造そのものを持つ建物は少ないものの、心柱の「中心柱の独立した挙動」をヒントにした制振・免震技術は世界の多数の高層建築に広がっています。特に
チューンドマスダンパー(Tuned Mass Damper)の採用例は多く、これは大きな重りを建物内部に設置し、揺れを相殺するシステムです。([参照]Tuned Mass Damper(英語))

たとえば上海タワー(中国)、123階建て超高層ビルなどがこの種の制振装置を採用していますが、これらは心柱構造とは異なるものの中心部に重りを置く考え方や揺れ制御のアプローチという点で関連があります。

まとめ:伝統建築の叡智が現代に活きる

法隆寺五重塔の心柱構造は、古来の木造建築が培ってきた地震対策技術であり、現代建築でもその考え方が評価されています。東京スカイツリーはその代表例として、中心柱を利用した制振システムが実際に実装されています。

また、サンフランシスコの680 Folsom Streetなどでは、心柱から発想を得た中央コアの設計が採用され、高層建築の揺れ対策に応用されています。このように、古い建築技術の原理が現代の建築・土木技術に影響を与えていることがわかります。

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