『伊勢物語』の「筒井筒」の部分は、深い感情と複雑な人間関係が描かれており、登場人物の心情や行動にはそれぞれの背景があります。以下では、質問者の疑問に答える形で「筒井筒」の詩に込められた感情と、それに対する登場人物の反応を解説していきます。
①「この女、いと化粧じて〜と詠みけるを聞きて、限りなくかなし。」なぜこの上なくいとおしいと思ったのか?
この部分は、女性が自分を美しく見せようと化粧をしている様子を詠んだ歌に対して、男性が「限りなくかなし」と感じたという場面です。「いと化粧じて」というのは、女性が心を尽くして美しくなろうとする姿を意味しており、男性はその一途な姿勢に胸を打たれ、同時に切なさを感じています。
男性は、女性が心を込めて装うことが、彼女自身の思いを込めていることを理解し、それが「かなし」と感じられたのです。この「いとおしい」という感情は、男性が女性の純粋な思いや美しさに対する深い敬意を持ちながらも、同時にその女性の心の複雑さに対して切ない気持ちを抱いていることを示しています。
②「はじめこそ心にくくもつくりけれ」奥ゆかしく振る舞っていたのは誰か?
この部分は、女性が最初は控えめで奥ゆかしく振る舞っていたことに触れています。「心にくくもつくりけれ」という表現は、女性が最初は遠慮していたり、慎ましく接していたことを表しています。彼女の奥ゆかしい振る舞いは、男性に対する配慮や思いやりを示しており、最初は男性がその態度を好ましく感じていました。
この女性の行動は、相手を思いやる姿勢が見て取れるため、男性にとって非常に魅力的に映ります。しかし、この後の展開を考えると、最初の奥ゆかしさがその後どう変化していくかが重要なポイントとなります。
③「手づから飯匙とりて〜もりけるを見て、心憂がりて」嫌だと思ったのは誰か?そしてなぜ嫌だと思ったのか?
この部分では、男性が女性が自分のために手作りで食事を用意するシーンを見て、心憂がり、嫌だと思ったという心情が描かれています。「手づから飯匙とりて」という表現は、女性が非常に気を使って食事を作っていることを示しており、これは男性にとっては女性の思いが強く伝わる瞬間です。
男性が「心憂がりて」と感じたのは、女性の行動が予想以上に深く、重すぎると感じたためです。彼は女性が自分に対して心を尽くしていることに感動しながらも、その重さに圧倒され、関係が深まることに対する不安や恐れを感じたため、嫌だと感じたのです。
まとめ
『伊勢物語』の「筒井筒」は、男女の感情の機微や、互いに対する心の動きを巧妙に描いています。女性の化粧や振る舞いに対して男性が抱く感情の変化、そして相手の行動に対する反応から、当時の人々の心情が垣間見えます。それぞれの行動がどのように心に影響を与えるのか、物語の深さを感じ取ることができる重要なシーンです。


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