「튀」がカタカナで「ティ」と表記される理由とは?外来語表記の仕組みを解説

言葉、語学

韓国語や外国語の発音をカタカナで表記する際、「なぜこの音がこの表記になるのか」と疑問に感じることは少なくありません。特に「튀(twi / tɥi)」が「ティ」と表記されるケースは、直感的に「ツィ」や「ツゥィ」の方が近いのではないかと感じる人も多いでしょう。本記事では、日本語カタカナ表記のルールと実際の運用を踏まえながら、この違和感の正体を整理していきます。

カタカナ表記は「音の完全再現」が目的ではない

まず押さえておきたいのは、カタカナ表記は外国語の発音を厳密に再現するための仕組みではないという点です。日本語の音韻体系は母音と子音の組み合わせが限られており、外国語の音をそのまま写すことは構造上できません。

そのため、カタカナ表記では「日本語話者にとって最も近く、かつ読みやすい音」に置き換えるという考え方が基本になります。ここが、理論的に近い表記と実際に使われる表記が一致しない大きな理由です。

「ツィ」「ツゥィ」が一般化しなかった理由

「ツィ」や「ツゥィ」は、理屈の上では「twi」に近い表記に見えます。しかし、日本語では「ツ」の子音は無声歯茎破擦音であり、「t」の破裂音とはやや性質が異なります。そのため、聞き手によっては「t」の要素が弱く感じられることがあります。

また、「ツィ」「ツゥィ」は視認性や発音の難しさの点で不利でした。小書き文字が多くなり、直感的に読みにくいことから、実用面では広く定着しにくかったという背景があります。

なぜ「ティ」が選ばれたのか

一方で「ティ」は、現代日本語において「ti系の音」を表すための事実上の標準表記として広く使われています。「パーティ」「シティ」「ティーム」など、英語由来の語彙で既に定着している点は無視できません。

「튀」の子音成分である「t」に注目すると、「ティ」は日本語話者が最も自然に「t」を感じ取れる表記です。実際の母音や半母音の違いよりも、「t音をどう認識させるか」が優先された結果、「ティ」が採用されやすくなっています。

外来語表記における慣用と実務の判断

外来語や外国語固有名詞のカタカナ表記では、音声学的な正確さよりも、慣用・可読性・既存表記との整合性が重視されることが多くあります。特にメディア、商品名、人名表記では、統一感が重要になります。

そのため、多少音がずれていても、既に多くの人が違和感なく読める表記が優先されます。「ティ」はその条件を満たしており、「ツィ」よりも実務的に扱いやすい表記と判断されてきました。

まとめ

「튀」が「ティ」と表記されるのは、日本語の音韻制約の中で「t音」を最も自然に伝えられる慣用表記が選ばれた結果です。「ツィ」や「ツゥィ」は理論的には近く見えても、可読性や定着度の面で不利でした。カタカナ表記は発音記号ではなく、日本語としてどう受け取られるかを重視した折衷案であることを理解すると、この違和感の理由も見えてきます。

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