秋ごろになると、庭や植え込みで「卵のようなもの」を見つけて不思議に思うことがあります。特に、タマリュウの葉元などに付着し、1cm前後でスポンジのように柔らかい場合、「中で何かが越冬しているのでは?」と気になる人も多いでしょう。本記事では、観察条件を整理しながら、その正体として考えられるものを分かりやすく解説します。
まず結論:動物の卵である可能性は低い
大きさが約1cm、触るとフワフワしていて中身が空洞だったという特徴から考えると、昆虫やカマキリなどの卵である可能性はかなり低いと考えられます。
昆虫の卵や卵塊は、内部に幼虫や胚が存在するため、完全に空という状態にはなりにくく、またスポンジ状の感触もあまり見られません。
カマキリの卵(卵鞘)との違い
カマキリの卵鞘は確かに秋に見られますが、表面は比較的硬く、発泡スチロールのような弾力があり、しっかりとした構造を持っています。
今回のように「非常に柔らかい」「ほぐすと中が空」という特徴とは一致しないため、カマキリの卵とは別物と考えるのが自然です。
最も可能性が高い正体:粘菌(ねんきん)
条件から最も考えられるのは、粘菌(変形菌)と呼ばれる生物です。粘菌は植物でも動物でもなく、湿った場所で一時的に現れる不思議な生物です。
秋は粘菌が発生しやすい時期で、タマリュウのような地表近くの植物に、白〜薄黄色のスポンジ状の塊として現れることがあります。
なぜ「卵のよう」に見えるのか
粘菌は一時的に塊状になり、その後、胞子を放出して消えていきます。その過程で、中身が抜けたような状態になることがあります。
そのため、「中で越冬している生き物がいるのでは」と感じても、実際には胞子を飛ばした後の殻のような状態だった、というケースが多く見られます。
人体や植物への影響はあるのか
粘菌は無害で、毒性もなく、人や植物に害を与えることはほとんどありません。見た目の不思議さから心配されがちですが、放置して問題ない存在です。
乾燥すると自然に消えていくため、無理に取り除く必要もありません。
まとめ
茨城県で秋に、タマリュウに付いていた1cmほどのフワフワした卵のようなものは、昆虫の卵ではなく、粘菌である可能性が非常に高いと考えられます。中が空だった点やスポンジ状の感触は、粘菌の特徴とよく一致します。見た目は不思議ですが、自然界では珍しくない現象の一つとして安心して観察してみると良いでしょう。


コメント