国語の読解問題、とくに「〜を説明しなさい」といった記述式の設問がどうしても苦手で、「これは単に国語が苦手なだけなのか、それともASD(自閉スペクトラム症)の特性なのか」と悩む人は少なくありません。本記事では、ASDの特性としてよく言われる「文脈が読みにくい」という点と、国語の読解問題との関係を整理しながら、自然と疑問が解消されるように解説します。
ASDの特性として言われる「文脈が読めない」とは
ASDの特性の一つとして、「文脈理解が苦手」「行間を読むのが難しい」と表現されることがあります。これは、文章全体の流れや暗黙の前提、書き手の意図を推測することが難しい傾向を指しています。
ただし、これは知能の問題や努力不足ではなく、情報の捉え方の特性によるものです。書かれていない情報を補ったり、複数の情報を統合して意味を考える部分で負荷がかかりやすいとされています。
国語の読解問題で求められている力
学校の国語の読解問題、とくに説明問題では、文章中に明示されていない要素をまとめたり、「なぜそう言えるのか」を自分の言葉で再構成する力が求められます。これは単なる語彙力や漢字力とは別のスキルです。
例えば、本文中の出来事Aと登場人物の感情Bを結びつけ、「筆者は何を伝えたいのか」を説明させる問題は、文脈理解や抽象化が前提になっています。
ASDの特性と「説明しなさい」問題の相性
ASDの特性を持つ人は、文章に書かれている事実そのものは正確に理解できても、「それをまとめて説明する」「要点を取捨選択して書く」といった作業が難しく感じられることがあります。
例えば、本文の一文一文は理解できているのに、「結局何を聞かれているのか分からない」「どこまで書けば正解なのか判断できない」と感じるケースは珍しくありません。これは国語力が低いというより、処理の仕方の違いによるものと考えられます。
「国語が苦手」と「ASDの特性」はどう違うのか
一般的に国語が苦手な場合は、語彙不足や読書経験の少なさなど、学習量によって改善することがあります。一方で、ASDの特性による読解の難しさは、練習しても同じところでつまずきやすい傾向があります。
例えば、「気持ちを説明しなさい」という問題で、根拠となる文章は示せるのに、それを自然な文章にまとめられない場合、単なる勉強不足とは異なる要因が関係している可能性があります。
困りごとへの現実的な対処の考え方
もし国語の説明問題で強い苦手意識が続く場合、「できない理由」を性格や努力不足に結びつける必要はありません。特性として理解し、対策を工夫することで負担を減らすことができます。
具体的には、「設問が何を聞いているかを分解する」「使う文を本文から抜き出して組み立てる」「模範解答の型を覚える」といった方法が有効な場合があります。また、医療機関や専門家の情報も参考になります。厚生労働省の発達障害に関する解説は[参照]してください。
まとめ
国語の読解問題、とくに説明系の設問が苦手な背景には、単なる国語力の問題だけでなく、ASDの特性としての「文脈理解のしづらさ」が関係している場合があります。大切なのは原因を正しく理解し、自分に合った対処法を見つけることです。苦手さを知ることは、できない自分を責めるためではなく、無理なく学ぶための第一歩になります。


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