共通テスト化学基礎において、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、コバルト(Co)などの金属が濃硝酸と反応しないという説明がされていますが、なぜこれらの金属が反応しないのか、また希硝酸と反応するのかについて理解を深めることは非常に重要です。この記事では、これらの金属と酸との反応性について詳しく解説します。
濃硝酸と金属の反応性
まず、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、コバルト(Co)などの金属が「濃硝酸と反応しない」と言われる理由は、これらの金属が強酸である濃硝酸と接触したときに、酸化膜が形成され、これによって反応が抑制されるからです。濃硝酸は強酸であり、酸化力が強いため、金属表面に酸化膜を形成し、これが金属と酸との反応を妨げる役割を果たします。
例えば、アルミニウム(Al)は表面に酸化アルミニウム(Al₂O₃)の薄い膜を形成し、この膜が濃硝酸と金属本体が反応するのを防ぎます。これにより、通常の条件ではこれらの金属が濃硝酸と反応しないのです。
希硝酸との違い:反応性の違い
一方、希硝酸の場合、酸化力が比較的低いため、金属表面に形成される酸化膜が破壊されることが多く、金属と反応しやすくなります。そのため、希硝酸と接触すると、これらの金属は反応を示します。具体的には、鉄やアルミニウムなどは、希硝酸と反応して硝酸塩を生成することがあります。
この反応性の違いは、濃硝酸が強力な酸化剤であることに起因しており、濃硝酸が酸化膜を作ることで金属との反応が抑制されるのに対し、希硝酸はその酸化力が弱いため、酸化膜を破壊して金属と反応を起こしやすくなります。
鉄の反応例:濃硝酸と希硝酸の違い
鉄(Fe)を例にとると、濃硝酸と鉄が反応する場合、鉄の表面に酸化膜が形成され、反応が抑制されます。しかし、希硝酸を使用した場合、酸化膜が破壊され、鉄は硝酸鉄(Fe(NO₃)₂またはFe(NO₃)₃)を生成する反応が進みます。
そのため、鉄を加えた場合、希硝酸では反応が進み、硝酸鉄を生成することが確認できます。これは、希硝酸の酸化力が低いため、酸化膜の影響を受けずに鉄と反応できるからです。
まとめ
鉄、ニッケル、アルミニウム、クロム、コバルトなどの金属は、濃硝酸との反応が抑制されることが多いのは、酸化膜が形成されるためです。しかし、希硝酸では酸化膜が破壊され、金属と反応が進むことがあります。共通テスト化学基礎の問題では、これらの金属の反応性の違いを理解し、濃硝酸と希硝酸の性質を区別することが重要です。


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