遺伝子の数とは？遺伝子として働く領域の数との関係を解説

遺伝子の数について質問を受けることが多いですが、遺伝子が何を指し、どのように数えられるのかは意外と理解しにくい部分でもあります。この記事では、「遺伝子の数」という概念についてわかりやすく解説します。

遺伝子とは？

遺伝子とは、生物が持つ遺伝情報を担う単位であり、DNAの特定の領域に位置しています。遺伝子は、細胞内で特定のタンパク質を合成するための設計図を提供します。この設計図が細胞の成長や機能を決定し、遺伝子の組み合わせにより、私たちの外見や性格、さらには病気への感受性も影響を受けます。

遺伝子はDNAの中に存在し、その配列は非常に長い分子の中に隠れています。全ての遺伝子が必ず「働く」わけではなく、その活性がタイミングや環境によって変わります。

「遺伝子の数」とは、一般的にその生物のゲノム内に含まれる遺伝子の数を指します。ヒトのゲノムには約2万〜2万5000個の遺伝子が含まれているとされています。しかし、遺伝子がどのように「数える」かは、生物のタイプや研究者による定義によって異なります。

遺伝子の数を数える際、遺伝子として機能する部分だけでなく、遺伝子のプロモーターやイントロン、エクソンなどの非コード領域も含めて数えられることがあるため、「遺伝子の数」と言っても正確な数はケースバイケースで異なります。

「遺伝子として働く領域」という言葉は、実際にタンパク質合成に関わる遺伝子部分を指します。遺伝子として働く領域は、いわゆる「エクソン」と呼ばれる部分で、これが最終的にタンパク質を作るために転写され、翻訳されます。

一方で、遺伝子全体には「イントロン」という領域があり、これはタンパク質合成には直接関わりませんが、遺伝子の調節や発現に重要な役割を果たします。したがって、遺伝子の数というのは必ずしも「働く領域の数」そのものではなく、ゲノム内の遺伝子の全体像を示すものです。

遺伝子の数を調べる際には、使用する技術や手法に依存する部分が多く、近年のゲノム解析技術の進歩により、より精緻な遺伝子の数が判明しています。例えば、全ゲノム解析ではエクソンとイントロン、さらには非コードRNA遺伝子も含めて数えられ、これらを「遺伝子数」として報告することが一般的です。

遺伝子の数とは、ゲノム内に存在する遺伝子の数を指しますが、必ずしもすべての遺伝子が「働くわけではなく」、遺伝子として働く領域（エクソン）だけを指すことが多いです。遺伝子の数を調べる際には、その数え方に注意が必要で、研究や技術の進歩により、従来よりも多くの遺伝子が発見されることもあります。