確率と独立性:くじ引きで「次は必ず当たり」になるわけではない理由

数学

確率の話でよく登場する「これまでの結果がどうであっても、次の確率は変わらない」という主張について直感的に納得がいかないという質問です。特に、外れる確率が90%のくじを引いた場合、次に当たりが来るのではないかという疑問について解説します。

1. 確率の基本的な考え方

確率の基本的なルールでは、独立した事象の確率は、その事象が発生するかどうかに関係なく一定です。例えば、サイコロを振る場合、1回目の結果がどんなものであっても、次の振りに影響を与えません。このように、くじ引きにおいても同様に、各回の結果は独立しています。

2. 「外れる確率が90%」とは?

例えば、外れる確率が90%というくじを引く場合、1回引いた結果が外れでも、その後に引く次のくじの外れる確率は変わりません。次回のくじ引きも、外れの確率は90%です。つまり、1000回引いて900回外れたとしても、次の回の外れの確率は変わらず90%となります。

3. 直感と確率の違い

質問者が述べたように、「900回外れたら次は100%当たり」という直感は、確率論における独立事象の考え方に反します。実際には、くじ引きの確率は毎回リセットされ、過去の結果が未来に影響を与えることはありません。この誤解は、いわゆる「ギャンブラーの誤謬」としても知られています。

4. ギャンブラーの誤謬とは?

ギャンブラーの誤謬とは、過去の事象が次の事象に影響を与えると考える誤った信念のことです。例えば、サイコロを6回連続で「1」が出た場合、「次は1以外が出るだろう」と考えることがこの誤謬に当たります。実際には、サイコロを振るごとに結果は独立しており、前回の結果が次回に影響を与えることはありません。

5. 確率の独立性と実際の結果

確率の独立性を理解することで、直感的に「次は当たり」と感じることを避けることができます。確率が90%外れるくじの場合、1000回引いて900回外れたとしても、次のくじで「必ず当たる」わけではなく、引くたびに外れの確率は90%のままです。この理解を深めることで、確率に対する正しい認識を持つことができるようになります。

6. まとめ

確率における独立事象の原則は、くじ引きのようなランダムな試行にも適用されます。過去の結果が未来に影響を与えることはないため、「次は必ず当たる」という直感は誤りです。確率を理解することは、ギャンブラーの誤謬に騙されずに、正しい判断を下すために重要です。

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