円周率πが無理数であることを証明する問題で、「π=a/b(a, bは互いに素な整数)」と仮定する部分で「互いに素な整数」を使う理由について解説します。この仮定がなぜ重要なのか、またその意義について詳しく見ていきましょう。
「互いに素な整数」とは?
「互いに素な整数」とは、2つの整数aとbが互いに素であるとき、aとbの最大公約数が1であることを意味します。つまり、aとbが共通の因数を持たないことです。例えば、a=5、b=6の場合、5と6の最大公約数は1であり、これらは互いに素な整数です。
この概念は、整数の性質を理解する上で非常に重要です。無理数であるπを有理数として仮定した場合、最も簡単な形で表現するためには、「互いに素な整数」として仮定する必要があるのです。
なぜ「互いに素」とするのか?
「π=a/b」という有理数の形で仮定した場合、aとbは整数でなければなりません。しかし、もしaとbが互いに素でない場合、aとbを共通の因数で割り切ることができます。そのため、aとbが互いに素でない場合には、無理数であるπを有理数として表す方法が間違ってしまいます。
この仮定を行うことで、証明の過程で矛盾を導きやすくなり、無理数であることを明確に示すことができるのです。
無理数の証明と「互いに素な整数」の重要性
πが無理数であることを証明する際、「a/b」の形で仮定することは非常に重要です。もし仮定の段階でaとbが互いに素でないと、証明の過程で不要な誤差が生じ、無理数であることを証明するための矛盾を導き出すことができません。
したがって、最初にaとbを互いに素な整数として仮定することで、無理数証明の際に最も効率的な方法が取れるようになるのです。
まとめ
「互いに素な整数」と仮定する理由は、無理数であるπを有理数として仮定した場合に生じる矛盾を回避するためです。aとbが互いに素でなければ、より簡単な形にできるため、証明の過程で不必要な誤差が生じてしまいます。無理数の証明においてこの仮定は欠かせないものとなります。


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