化学基礎の問題でよくある反応式の係数をつける問題。特に、Al + H⁺ → Al³+ + H₂という反応式の係数を1,2,1,1とする場合と、2,6,2,3とする場合で、なぜ後者が正解となるのかについて解説します。質問者の方が疑問に思っている通り、反応式の係数が合わない理由と、元素の右上の数字の使い方についても詳しく説明します。
1. 化学反応式の係数を決める理由
化学反応式で係数を決める際は、物質の質量保存の法則と、反応する分子の数が一致するようにすることが必要です。つまり、反応前と反応後で各元素の原子数が等しくなるように係数を調整しなければなりません。
Al + H⁺ → Al³+ + H₂という反応の場合、反応するアルミニウム(Al)と水素(H⁺)の数が適切に均衡するように係数を設定する必要があります。
2. 係数1,2,1,1が間違いである理由
質問者の方が言及しているように、「1,2,1,1」とした場合、反応する元素の数が合いません。具体的には、左辺の水素イオン(H⁺)の数が右辺の水素分子(H₂)の数と一致しません。水素イオンは1分子の水素分子を生成するため、適切な係数設定ではないのです。
また、アルミニウム(Al)とアルミニウムイオン(Al³+)の係数も一致しないため、質量保存の法則に違反しています。
3. 正しい係数「2,6,2,3」の意味
正しい反応式の係数「2,6,2,3」は、アルミニウムと水素イオン、水素分子およびアルミニウムイオンの数をバランスよく保つものです。具体的には、アルミニウム原子が2つ、水素イオンが6つ反応し、アルミニウムイオンが2つ、そして水素分子が3つ生成されるというものです。
これにより、各元素の原子数が反応前後で一致し、質量保存の法則が守られます。このようにして、化学反応式が成立するわけです。
4. 元素の右上の数字について
質問者が「右上にくる数字は考えなくていい」と思っていた点についてですが、これは間違いです。右上の数字(酸化数)は、化学反応式を正しく理解するために重要です。
特に、アルミニウム(Al)の酸化数は0から+3に変化します。水素イオン(H⁺)の酸化数は+1であり、これらを反映させるために適切な係数を付けなければなりません。酸化数を考慮せずに係数を決めると、反応が正しくない可能性があります。
5. まとめ:正しい反応式とその係数
Al + H⁺ → Al³+ + H₂の化学反応式において、正しい係数は「2,6,2,3」であり、これにより質量保存の法則が守られます。元素の酸化数を無視せず、正しいバランスで係数をつけることが重要です。
「1,2,1,1」のような係数では、反応式として成立しないため、誤りであることがわかります。これからは、化学反応式を解く際に酸化数をしっかり考慮して、正しいバランスを取るようにしましょう。


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