「思ひ参らせ給う」という表現は、古典文学においてよく使われる言い回しで、現代日本語に置き換えるときに難解に感じることがあります。この表現を口語訳にする際のポイントとして「思い申し上げなさる」が出てきますが、その意味や使い方について詳しく解説します。
「思ひ参らせ給う」の構造と意味
「思ひ参らせ給う」という表現は、実際には2つの動詞と1つの敬語が組み合わさっています。
- 思ひ:「思う」の連用形で、「思う」という意味です。
- 参らせ:「参る」の使役形で、「思いを届ける」「思いを伝える」という意味です。
- 給う(たまう):尊敬語の助動詞で、敬意を表します。
そのため、「思ひ参らせ給う」を直訳すると「思いを申し上げる」という意味になります。これは、相手に対して敬意を込めて自分の思いを伝えるという表現です。
「思い申し上げなさる」の意味とその解釈
「思い申し上げなさる」という現代語訳は、以下の2つの敬語が組み合わさっています。
- 申し上げ:「申し上げる」は「言う」の謙譲語で、謙譲語とは、自分の行動を相手に対して低くすることで敬意を表す言い回しです。
- なさる:「なさる」は尊敬語で、相手の行動に対して敬意を表す表現です。
このように、謙譲語「申し上げる」と尊敬語「なさる」を組み合わせた「思い申し上げなさる」という言葉は、相手に対して自分の思いを敬意を込めて伝えるという意味になります。
現代日本語で使う場合の解釈
現代日本語において、「思い申し上げなさる」は、やや堅苦しく感じるかもしれませんが、丁寧な表現として使われます。実際に使う場合には、目上の人に自分の気持ちを伝えるときなどに用いられることがあります。
まとめ
「思ひ参らせ給う」の口語訳「思い申し上げなさる」は、謙譲語と尊敬語を組み合わせた敬意を込めた表現です。古典文学における表現を現代語にする際には、これらの敬語の違いを理解することが重要です。言葉の使い方を理解することで、さらに深い意味を理解できるようになります。


コメント